聞いて覚える人と見ないと記憶に残らない人の差 大人の勉強にこそ「音読」を取り入れたほうがいい

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これでもまだ確信が持てないという人は、次のそれぞれの項目を見てみましょう。当てはまる数が多いほうが、その人が得意なものです。

<視覚系が強い人の特徴>
☑︎スポーツやゲームが得意
☑︎自然の中で過ごすのが好き
☑️文字や数字を映像で覚える
☑️文字や絵を書いて覚えることが多い
☑️絵を描いたり、見たものを再現したりするのが得意

<聴覚系が強い人の特徴>
☑️子どもの頃、音楽に関する習い事をしていた
☑️人の話を聞くのが好き。講演を聞くのも苦にならない
☑️音楽をかけるなど、常に音がないと落ち着かない
☑️言葉や数字は、口ずさんで覚えることが多い
☑️言われたことはメモしなくても忘れない

どちら派にも効き目アリな勉強法「音読」

視覚系と聴覚系、自分がどちらが得意が把握できたかと思いますが、どちらが得意にせよ、聴覚を働かせる習慣を持つことは脳全体を活性化させるうえでとても重要です。なぜなら、聴覚は視覚よりも記憶に直結し、記憶の一時保管庫である脳の海馬にアクセスしやすいという特性があるからです。

こと記憶に関しては、視覚系に頼るよりも、聴覚系に頼ったほうが有利な面があることは確かなのです。高齢になって耳が遠くなると、記憶力も同時に下がっていってしまうのは、聴覚系の働きが弱くなり、海馬へのアクセスがスムーズではなくなってしまうから。それくらい、耳から入ってくる情報は脳の働きを左右するものなのです。聴覚を働かせることのメリットは、聴覚系だけではなく脳の他の部位も一気に働かせることができる点です。これを活かした勉強法の1つが、音読です。

『一生頭がよくなり続ける すごい脳の使い方』(サンマーク出版)
(イラスト:うのき)
一生頭がよくなり続ける すごい脳の使い方
『一生頭がよくなり続ける すごい脳の使い方』(サンマーク出版)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

黙読の際には視覚系がメインで働いています。これが声に出すことによって、視覚系の他に、伝達系と運動系が働き、自分の声を聞くことによって聴覚系も働きます。

難しいテキストも、声に出して読むことで頭の中が整理されて、理解できるという経験をした人も多いと思いますが、その現象が起こるのも、音読によって脳全体が活性化したためと考えれば納得がいきます。

英単語なども、黙読よりも声に出して音読したほうが覚えやすいです。ただし、視覚系が優位な方は、書きながら声に出して読む、書いたものをじっくり目で追いながら声に出して覚えることも試してみるといいでしょう。

加藤 俊徳 医学博士/「脳の学校」代表

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かとう としのり / Toshinori Katou

脳内科医、医学博士。加藤プラチナクリニック院長。株式会社「脳の学校」代表。昭和大学客員教授。脳科学・MRI 脳画像診断の専門家。1991年に、現在、世界700カ所以上の施設で使われる脳活動計測fNIRS(エフニルス)法を発見。1995年から2001年まで米ミネソタ大学放射線科で脳画像研究に従事。ADHD、コミュニケーション障害など発達障害と関係する「海馬回旋遅滞症」を発見。加藤式MRI 脳画像診断法を用いて、小児から超高齢者まで1万人以上を診断・治療。得意な脳番地・不得意な脳番地を診断し、脳の使い方の処方を行う。著書に、『1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き』(ダイヤモンド社)、『一生頭がよくなり続けるもっとすごい脳の使い方』(サンマーク出版)、『1日1文読むだけで記憶力が上がる!おとなの音読』(きずな出版)など多数。

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