大人が「記憶力悪化は歳のせい」と勘違いする理由 子どもと大人では覚えるメカニズムが全然違う

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単純な丸暗記ができない大人は、勉強法にも気をつけなくてはいけません。勉強をする際、学生時代のように、テキストの大事なページに付箋を貼ったり、重要な言葉や文章に蛍光ペンなどで線を引いたりする人は多いと思います。

しかし、これも残念ながら、学生時代とは脳の仕組みが変わっているので、大人脳には効果的ではありません。大人の場合、付箋を貼ったり線を引いたりして得られるのは、〝やった気分〟だけで、しっかり記憶に残すことはできません。線を引いた程度では脳に伝えるメッセージとしては弱すぎて、暗記など到底できないのです。

これは、脳のほんの少しの部分しか働いていないために起こっています。付箋を貼ることによってなんだか勉強した気にはなりますが、脳の働きを見てみると、文字を目で追うだけの黙読では、脳の視覚を司る部分以外はほとんど働いていません。

脳には1000億個以上という途方もない数の神経細胞がありますが、得意分野ごとに集団を形成し、脳の中に拠点を作っています。会社で言うならば、社長がいて執行役員や秘書がいて、営業などの部署に分かれているのと同じこと。

私は、脳の中で部署のような役割を果たす場所をそれぞれの役割に基づいて「脳番地」と名づけ、それらを擬人化しました。自分の脳をフルに活用するために絶対に知っておいてほしいのは、8つの脳番地だけです。

大人の勉強法は「思考」と「理解」を最大限利用する

大人が勉強するときは、8つの脳番地の中でもとりわけ「思考」と「理解」を司る部分をよく動かすことが有効です。学生時代の脳の場合、「思考」と「理解」の2つは器官として未熟で未発達でしたが、30代以降完成されます。

『一生頭がよくなり続ける すごい脳の使い方』(サンマーク出版)
(イラスト:うのき)

「思考」の部位は、8つの脳番地の中で社長のポジションであり、「理解」は思考のよきパートナーであり、脳の現場リーダー的ポジションになります。

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