「ミスばかりの職場」の上司が知らない残念な真実 間違った「心理的安全性」の高め方に要注意
近年「心理的安全性」に注目する経営者、管理職が増えている。心理的安全性とは、「率直に発言することや、懸念・疑問・アイデアを話すことへの不安や恐れを感じない状態」のことである。これが高ければいいのだが、逆に低いと生産性の低下やミスが誘発される。
『経済がわかる 論点50 2023』の執筆者の3人でみずほリサーチ&テクノロジーズ経営コンサルティング部の竹内誠也氏と市川茉耶氏、竹田菜穂子氏が、ミスや失敗ばかり起こる職場の上司がやってしまいがちな、誤った「心理的安全性」の高め方と正しい方法を解説します。
そもそもなぜミスや失敗が起こるのか
心理的安全性という概念自体は20年以上前からあるものだが、2015年にGoogle社が、成功しているチームに共通する5つの因子を挙げ、その中でも「心理的安全性がとくに重要である」と発表して以来、注目度が高まった。
組織において心理的安全性が高まると、知識やアイデアの共有が進み、イノベーションが活発化したり育成が進んだりすることや、ミスや失敗を報告する風土の醸成が効果として期待される。
心理的安全性が高い場合には、率直な発言や、懸念・疑問・アイデアを話すことへの不安が小さく、心理的安全性が低い場合には、同様の不安が大きい状態になっている。この状態の違いは、単に行動の違いとして現れるだけでなく、周囲や組織に影響をもたらす。
たとえば、心理的安全性が高い人は、わからないことがあればすぐに周囲に尋ねる。これが受け止められた場合、周囲は「わからないことを聞いても大丈夫なのだ」と認識し、質問をするようになる。すると、組織において知識やノウハウの共有が促進される。
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