「ミスばかりの職場」の上司が知らない残念な真実 間違った「心理的安全性」の高め方に要注意
たとえば「部下・若手にとって話しやすい雰囲気を作ろうとした結果、上司・先輩が“感じがいい人”になろうとし、本音を隠す」「できない理由や言い訳ばかりを主張し、本来すべき行動をしなくなる」といったことだ。
組織に適した対話のあり方を考える
多くの失敗事例に共通する要因は、「組織のミッション・目的を達成するためにはどのような対話のあり方が重要か」という観点が欠けていることだ。組織のミッション・目的に応じて、必要とされる「対話の内容・進め方」は異なる。ただ発言を促すのではなく、まずは組織に適した対話のあり方を考え、そのうえで心理的安全性の高め方を検討すべきである。
具体的には、次のようなプロセスを踏み、心理的安全性と向き合うことを推奨する。
②①について組織内で共通認識を持つ。
③組織のミッション・目的の達成に向けた対話が自然発生するように、発言したことから良い展開を招く成功実績を作る。
という流れである。
たとえば、業界動向の変化が激しく、新商品開発等、新規性のある成果が求められる職場では、自由なアイデア出しが重要となると考えられる(①)。新規性の大きな方向感を上司から部下に伝え(②)、部下から新たなアイデアが発信された際には、まずは受け止めて賞賛し、より良くするための意見交換を行いながら実現に向かわせる(③)。
このような流れを事前に想定しておくと、上司は部下に何を伝えないといけないかが明確となり、伝えるべきことを伝えられないという状況が発生しにくくなるだろう。また、部下からの発言においても、何が必要・重要な発言であるかの判断軸ができ、発言内容のコントロールを行いやすくなるだろう。
組織に適した対話のあり方を考えることによって、先に述べた失敗事例のような事象が発生する可能性を下げることができる。「心理的安全性」は、組織のミッション・目的や、それらの達成に向けたマネジメントのあり方に対する構想があって、初めて正しい方向に機能するものであることを忘れてはならない。
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