「ミスばかりの職場」の上司が知らない残念な真実 間違った「心理的安全性」の高め方に要注意

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一方で、心理的安全性の低い人は、わからないことがあっても、質問の時間をもらう申し訳なさや叱られる恐怖から質問しない。すると、本人の仕事のスピードは変わらず、周囲もその原因に気づかないため、組織としての生産性が改善されない。

心理的安全性に作用する「不安」や「恐れ」

心理的安全性が低い状態の人が感じる不安や恐れは何に対して、どのように生じるのか、以下ではそのプロセスを明らかにしていく。

「心理的安全性」の第一人者であるエイミー・C・エドモンドソンは、職場環境における対人リスクとして、以下の4つを挙げている。

● 無知だと思われる不安
● 無能だと思われる不安
● ネガティブだと思われる不安
● 邪魔をする人だと思われる不安

上記の不安は、発言した後の展開を予想することで生じている。自身の過去の体験や考え、相手の性格・人柄や過去の言動から、発言した後に起こりそうなシナリオを思い描いているのである。そして、発言するか否かの実際の判断は、このシナリオを許容できるか否かによって行われている。シナリオが自身にとって許容しづらいものだと「不安」だと思うし、そうなることに「恐れ」を感じる。

つまり、発言への不安や恐れとは、発言がどう思われるか、相手はどのように行動し、どのような結果に至るのか、それらを自分が許容できるかというところから生じるのである。

この「不安」や「恐れ」を払拭するには、「この人になら/この職場でなら話しても大丈夫だろう」というシナリオが描かれるように、想像の基となるポジティブな言動や働きかけを積み重ねていくことが重要となる。

心理的安全性を高めようとする管理職も増えているが、心理的安全性を高めることを組織マネジメントの一部と理解せず、やみくもに取り組んでしまい失敗する事例も出てきている。

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