グーグルも重視する職場の「心理的安全性」とは 「解決策は」と聞く上司に決定的に欠けた視点
数年前、グーグルは成果の低いチームと優れた成果をあげるスターチームの調査に着手した。部分の単なる総和ではなく、それ以上の成果をあげるチーム作りはできないか、と考えたのである。
この人員分析プロジェクトの担当者たちはまず、社内180のチームに関するデータを集めた。そのうち115はエンジニアリング、65は営業のチームだった。社員調査の結果を精査し、社員との面談も何百回と実施した。
グーグルの社内調査でわかったこと
その結果何がわかったか。担当者は次のように説明する。
「完璧なチーム作りは、アルゴリズムによるところが大きいと思っていました。グーグルはアルゴリズムが大好きですから。スター社員を適切な数だけ見つけて彼らでチームを組ませればあら不思議、ドリームチームのできあがり!となるとばかり思っていました。
ところが、現実はまったく違うと明らかになりました。調査の結果、成果に真に影響を与えるのは、チームに誰がいるかではなく、チームメンバーがどのように協力し合うかであることがわかりました」
スター選手だけを集めても、優れたチームになるとは限らない、というのである。
もちろん、グーグルは群を抜いて聡明な人材を雇うことに力を入れてきた。つまり、高等教育機関の上位校でのリクルート活動を積極的に行ってきたということだ。
ところが自身の調査の結果、グーグルの優秀なチームの特性は個々の才能ではないとされた。では、いちばん重要なのは何か?
人員分析チームは、最高のパフォーマンスを発揮できるチームに見受けられる要素を5つ特定した(Google Partners, ”Google’s Five Keys to a Successful Team” )。そのなかでもとりわけ重要なのが、心理的安全性の状態だという。
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