35歳でも転職できる人、できない人の差は? 「35歳限界説」は、あくまで一般論

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であるからこそ、本連載でも何度も言っているとおり、「今いる場所以外でも通用するスキル=横展開できるスキル」の取得が大事であり、そもそも、どんなスキルや経験が、どんなレベルで世の中に求められているかの感度をつねに高く持ち、仕事だけでは会社固有のスキルしか身に付かないとなれば、一般論や全体感の把握のために自身で勉強をする必要があるし、貪欲に労働市場の情報を収集すべし、ということにつながるわけです。

市場価値のあるスキルがあるかどうか

往々にして、14年間も同じ会社で勤務されてきた方は、スキルの面で「井の中の蛙」状態になりがちです。自身のスキルを測る物差しが単一の会社(勤務先)の物差しでしかなくなり、いざ転職時に自分の経験などを棚卸して、何をアピールすべきかを考えた際にハタと困る、ということになるのです。

また35歳にもなれば、単一スキルだけが求められるわけではないという点も、転職を難しくする要因です。この年齢になると、「グループをまとめる力」なども求められます。20代であれば「個人の仕事」という切り口でのみ評価されることもあるものの、やはりその年齢になると、周りを管理する能力が評価のポイントに加わってくるケースが多いのではないでしょうか。

そもそも組織とは、個人では成し遂げられない何かを集団で成し遂げようとするためにあるわけですから、個々人の能力もさることながら、管理する能力も当然求められるのです。

結局のところ、現在、勤務している会社以外でも通用するスキルを積んでいるかによって、転職市場での評価は2極化するわけです。転職できない人は、残念ながら現在いる会社においてのみ通用するスキルや経験しか積んでこられなかった、ということです。

ご質問への答えをまとめると、「年齢にかかわらず市場価値のあるスキルや経験があれば転職は可能」ですし、そうでないならば苦戦を覚悟すべきです。したがって岩崎さんが考えるべきは、年齢のことではなく売れるスキルがあるか否かです。

まずはご自身の経験の棚卸しから始めましょう。仮に、そういったスキルがないということであれば、今からでも決して遅くはありませんので、ぜひこれからは労働市場において何が売れるかという嗅覚を鍛えつつ、仕事に取り組んでください。

スタートはいつからでも遅くはないと思います。要はやるかやらないか。これからいい経験を積んで最後にでも逆転すればいいわけです。もういい年齢だからとあきらめるのではなく、年齢ハンデを跳ね返せるようなスキルと経験を身に付けることで、人生を切り開いて行かれることを応援しております。

※安井さんへのキャリア相談は、こちらまでお送りください。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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