35歳でも転職できる人、できない人の差は?

「35歳限界説」は、あくまで一般論

おっしゃっている35歳という年齢を考えると、キャリアのスタート時期にもよりますが、14年前後、実務経験を積んできているでしょうから、何かしらのスキルや経験があるはずであり、したがって転職が難しいなんてことはあるのだろうか?という素朴な疑問を持たれることでしょう。

実際に、それまでに経験してきたことを糧に、転職を成し遂げている人が少なからずいらっしゃるのは事実です。ところが、その反対に実際に転職活動をすると、これがまた難しいという事実に直面する人が、非常に多いということも事実なのです。

即戦力として何ができるのか

14年の経験があるのに、なぜある人は転職できて、多くの人たちは転職できないのでしょうか。その理由としては、いろいろと考えられますが、その年齢層になると、ポテンシャルでの採用や妥協での採用ではなく、「即戦力として何ができるか」がコスト比でシビアに問われるためです。

まず「ポテンシャルでの採用がなくなる」という点は、当然のことです。新卒や20代であれば未経験者や大した実績がなくても、その人の持っている可能性や能力を、学力面での功績などから、こいつならやってくれる「可能性が高い」というポテンシャル採用が通用します。職務経験が短い場合、実績をみて将来の職務能力を判断することが難しい、という事情もあります。

ところが、もはや14年も仕事をやっていると、同期の間でも出世や仕事における責任範囲に差が出てきており、仕事で結果を出せるのか否かが、明らかにわかっています。一般的には「今までは結果を出せてこなかったけど、ここから成長が加速します」という話には、どうしてもなりにくいわけです。

言い換えると、会社として「育てる」というスタンスではなく、むしろ会社にどんな貢献をしてくれるのかが明確に求められます。その人がもたらしてくれるベネフィットがコストを上回ると会社が判断すれば採用されますし、そうでないかぎりは採用される可能性はまずありません。

もちろん、どんな能力やスキル、そしてどんなレベルを「即戦力」と呼ぶかは会社によってまちまちです。たとえば法人営業を強化する場合には「法人営業の経験者」、連結決算を行う場合には「連結決算の経験者」という具合に、会社の中で充足したいポジションを想定し、採用をするわけで、そこに合致するか否かが一義的には最重要項目となるわけです。

したがって、どんな経験でもいいわけではありません。①その会社が現在、求めており、②その会社で通用するレベルの経験――が即戦力として認識されるのです。

ここでのポイントは②の「その会社で通用するレベル」という箇所です。ある会社で重宝されていたレベルが、そのまま別の会社でも重宝されるとはかぎりません。つまり自分ではすごいスキルを持っていると思っていても、それが価値として転職先に認識されないかぎりにおいては、即戦力とは成りえないのです。

レベル感という話でいくと、笑い話のように聞こえてしまうかもしれませんが、たとえば実際に「私エクセル得意です」と言って入社されたものの、「得意」のレベル感があまりにも違いすぎ(低すぎ)てあぜんとしたというたぐいの話は、ちまたにあふれているわけです。

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