まずスーパーの惣菜で「ハズレ」が大きいと私が思うのが、「海老天」「かき揚げ」「野菜天」などの「天ぷら類」です。
天ぷらは180度の高温の油で揚げることで、衣がサクサクになり、なおかつ衣の小麦粉が焦げることで「香ばしさ」が出るのです。さらに、揚げることで素材に含まれる水分がほどよく飛んで、よりおいしさが引き出されます。
「衣のカリカリ感」と「素材のフンワリ感」という食感のコントラスト、そして「衣(小麦)の香ばしさ」を楽しむのが天ぷらの醍醐味なのです。
そして、それは「揚げたて」だからこそ、なせるワザです。
「時間が経つと、おいしくなくなる理由」は?
揚げてから時間が経つと、素材から水分が出て衣がヘニャヘニャになってしまい、サクサク感が失われ、「油っぽさ」も感じるようになります。
業界では「ヘタる」という言い方をしますが、時間が経てば経つほど、衣は水っぽくなってヘタッてしまうのです。
スーパーの店内で揚げて出すところもあるけれど、やはり家に帰って食べるころには、どうしてもヘタリは免れません。業者のほうでも「膨張剤」「乳化剤」「加工デンプン」などの添加物を駆使して「サクサク感を保つ衣」を出しているのですが、これを使っても解決できない問題です。
買う側にしても「衣のヘナヘナ問題をなんとかしたい」と思っている人が多いようで、ネットなどで「買ってきた天ぷらをサクサクに復活させる方法」という記事をよく見ます。
ただ、オーブントースターやグリルで焼けば、多少は衣のカリカリは戻ることは戻りますが、それでも素材から一度出てしまった水分は戻りません。
たっぷりの油を使って揚げ直せばいいのですが、そもそも「自宅で揚げ物をしたくない」から「市販の天ぷら」を買っているはず。揚げ直すのなら、「惣菜の天ぷら」を買う意味がなくなってしまいます。
天ぷらは「市販の惣菜」には不向きと言わざるを得ません。
添加物を駆使しても、「サクサク感」が失われ、「油っぽさ」も感じる
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