最後の3つめは「根菜類の煮物」です。
「筑前煮」「五目煮」などの煮物の根菜(ごぼう、れんこん、にんじんなど)が、ビックリするほど食感が悪かったということがありませんか?
あれは、冷凍品を仕入れてきて解凍して使っているから。根菜類は一般的に冷凍すると、スカスカになって「歯ごたえ」がなくなり、てきめんに食感が落ちるのです。
とくに、にんじんは「冷凍に弱い素材」です。水分が抜けることで、うま味も抜けてしまい、食感もフニャフニャになります。
根菜は「歯ごたえを楽しむ食べもの」です。煮物の根菜が「スカスカ食感」だと、いっきにテンションが落ちてしまうのは私だけでしょうか。
冷凍品を使うのは「中国産野菜」を輸入するから
なぜ冷凍品が多く使われるかというと、中国産野菜を輸入するからです。中国で加工して冷凍して持ってきたほうが、国産品を使うよりはるかに安くつくのです。
素材だけでなく、煮物そのものを中国でつくって、それを凍結して持ってくる場合もあります。
しかし、「安く仕入れたいけれど、冷凍の根菜がおいしくない」というのはスーパー側の悩みでもあるわけです。
中国産野菜も、煮物用の根菜だけでなく、たまねぎ、キャベツ、白菜など非常に多く流通しています。しかし最近では「焼きそば用」「野菜炒め用」など「国産のカット野菜の詰め合わせ」を使おうという動きもあります。
某大手スーパーチェーンでは、全店で焼きそばや野菜炒めの野菜を「国産カット野菜」に切り替えています。これは称賛されるべき決断だと思います。
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