元朝日記者語る「メディアが外部批判恐れる」実情 「朝日新聞政治部」著者、鮫島浩氏が斬る!
時の指導者がパブリックの精神を失い、自分の保身や利益だけを追求した結果、企業のガバナンスが機能せず、危機管理対応が後手に回って会社全体の価値を毀損してしまう。そして、その失敗の責任は誰もとらない――かつての東芝や東京電力にも共通する、日本企業の深刻な問題がそこにはあります。
下にいる社員は、ごまかし、逃げ切りに終始する経営トップのさまを目の当たりにし、「正直者がバカを見る」というモラル崩壊がますます組織に蔓延する。永田町や霞が関でも「国会でうそをついても大臣になっている」「公文書を改ざんしても出世している」など、同様のモラル崩壊の例は枚挙にいとまがありません。
「正しいことを言ったらろくなことがない」という風潮
若い人たちは政治に関心がないって言いますが、「正しいことを言ったらろくなことにならない」「筋とか通したら自分は割を食って損をしてしまう」っていう風潮が染みついちゃっているわけですよ。
つまり、これは若い人のせいではなくて、そういう空気を作ってきた指導者層、会社でいうと管理職とか、政治家でいうと大臣経験者とか、社会全体ではなく、自分のことばかり考える自分勝手な大人たちに責任がある。
黙っているほうが得だ、うそをつき続けたらそれで逃げ切れるっていう、こんな世の中にしてしまったのは誰なのか。それに対して私は怒っているんです。結局このコロナもそう。この2年間、政権が数々の判断ミスを犯してきたのに誰も追求しなかった。何もかもがゆるくて、誰も責任を取らない。
そこを改善しないと日本はよくなりません。保身しか考えない醜い大人たちをあぶり出して、責任をとらせ、反省させないと、若い人たちがこれから日本社会を変えて行こう、という空気にはならないですよ。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら