元朝日記者語る「メディアが外部批判恐れる」実情 「朝日新聞政治部」著者、鮫島浩氏が斬る!

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

時の指導者がパブリックの精神を失い、自分の保身や利益だけを追求した結果、企業のガバナンスが機能せず、危機管理対応が後手に回って会社全体の価値を毀損してしまう。そして、その失敗の責任は誰もとらない――かつての東芝や東京電力にも共通する、日本企業の深刻な問題がそこにはあります。

下にいる社員は、ごまかし、逃げ切りに終始する経営トップのさまを目の当たりにし、「正直者がバカを見る」というモラル崩壊がますます組織に蔓延する。永田町や霞が関でも「国会でうそをついても大臣になっている」「公文書を改ざんしても出世している」など、同様のモラル崩壊の例は枚挙にいとまがありません。

「正しいことを言ったらろくなことがない」という風潮

若い人たちは政治に関心がないって言いますが、「正しいことを言ったらろくなことにならない」「筋とか通したら自分は割を食って損をしてしまう」っていう風潮が染みついちゃっているわけですよ。

朝日新聞政治部
『朝日新聞政治部』(講談社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

つまり、これは若い人のせいではなくて、そういう空気を作ってきた指導者層、会社でいうと管理職とか、政治家でいうと大臣経験者とか、社会全体ではなく、自分のことばかり考える自分勝手な大人たちに責任がある。

黙っているほうが得だ、うそをつき続けたらそれで逃げ切れるっていう、こんな世の中にしてしまったのは誰なのか。それに対して私は怒っているんです。結局このコロナもそう。この2年間、政権が数々の判断ミスを犯してきたのに誰も追求しなかった。何もかもがゆるくて、誰も責任を取らない。

そこを改善しないと日本はよくなりません。保身しか考えない醜い大人たちをあぶり出して、責任をとらせ、反省させないと、若い人たちがこれから日本社会を変えて行こう、という空気にはならないですよ。

堀尾 大悟 ライター

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ほりお だいご / Daigo Horio

慶応大学卒。埼玉県庁、民間企業を経て2020年より会社員兼業ライターとして活動を開始。2023年に独立。「マネー現代」「NewsPicks」「新・公民連携最前線」などで執筆。ブックライターとしても活動。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事