米「年収1700万円未満」学生ローン免除の衝撃 米政権、世帯年収に応じて返済額を一部免除へ

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バイデン大統領
学生ローン返済の一部免除を発表したバイデン大統領(写真:Bonnie Cash/Bloomberg)

ジョー・バイデン大統領は8月24日、数千万人のアメリカ国民を対象に多額の学生ローンの返済を免除する計画を発表した。年収12万5000ドル(約1700万円)未満の場合は1万ドル(約136万円)の、低所得世帯を対象とした補助金「ペル・グラント」の受給者は2万ドル(約270万円)の返済が免除されるという。

この返済免除措置は、一部の民主党議員が求めていた水準には及ばないものの、政府内で数カ月にわたって公平性をめぐる討議が行われたうえで発表されたものだ。ただ、中間選挙を前にインフレが悪化しかねないと懸念する声も出ている。

4500万人が学生ローンを借りている

「今回の措置により、奨学金を借りている人々がようやく借金の山の下からはい出し始めることができる」と、バイデン大統領はホワイトハウスで語った。「家を買ったり、家族を持ったり、起業したりすることをやっと考えられるようになるのだ。ついでに、この措置が始まれば経済全体もよくなる」。

バイデン大統領はまた、新型コロナウイルスのパンデミックを受けて2020年3月から実施されている学生ローン返済猶予措置を年末まで延長することも発表。返済免除の時期は不明だが、教育省によると年末までには申請手続きを用意するとしている。

アメリカでは4500万人が、大学に行くために借りた連邦ローンのために総額1兆6000億ドルの借金を抱えている。これは、自動車ローン、クレジットカード、住宅ローン以外の消費者負債を上回る額だ。 スーザン・ライス国内政策会議委員長によると、申請人数によるため、学生ローン返済免除にかかる費用は政権としてはまだ決定していないという。ただ、いくつかの試算によれば3000億ドル以上かかる可能性がある。

バイデン大統領は、人種間における経済格差問題に対処するために債務免除が必要だとする進歩的な民主党議員から突き上げられ、学生ローン問題をどう扱うかについて何カ月にもわたって頭を抱えてきた。

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