米「年収1700万円未満」学生ローン免除の衝撃 米政権、世帯年収に応じて返済額を一部免除へ

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ウォーレン議員は今後もさらなる返済免除を求めていくと言う。だがバイデン大統領の発表は「歴史的」だと高く評価した。

「歴史上、これほど直接的に数多くの労働者の生活に手を差し伸べ、『あなたがたは教育を受けるために自分に投資した。そしてこの国はそれ(返済免除)であなたの力になりたいと望んでいる』と言った大統領はほかにいない」とウォーレン議員は述べた。

経済的な影響はどれくらいあるのか

ホワイトハウスの内部では、バイデン大統領の側近たちが今回の決定の政治的・経済的な影響について議論していた。バイデン大統領の考えをよく知る関係者によれば、大統領は返済免除が、自分や、自分の親族の学費を払ってきた人たちの心を逆なでする不公平な措置だと受け取られることを懸念していたという。

一部の側近からは、大規模な学生ローンの返済免除を推進するだけの法的権限がバイデン大統領にはなく、大統領権限を行使するのではなく、連邦議会と協力して取り組むべきだとの声も上がっていた。

急速に進むインフレも議論を複雑なものにした。

だが、バイデン大統領の経済アドバイザー陣は、ローンの支払いを再開し、ローン免除と所得制限を組み合わせることで、同措置が消費者物価の上昇に与える影響はごくわずかであることを訴えた。

バイデン政権に対して学生ローンについて諮問を行っている、経済学者のマサチューセッツ州立大学アマースト校のアリンドラジット・デュベ教授は、今回の措置による消費喚起は「バケツの中の一滴に過ぎない」として、インフレへの影響は限定的だと見ている。

経済的公平性の問題や、誰がローン免除の恩恵を受けるかといった問題も含め、今回の措置には「支持する理由と反対する理由の両方がある」とデュベ教授は言う。しかし、「インフレが問題になるとは思えない」としている。

(執筆:Zolan Kanno-Youngs記者、Stacy Cowley記者、Jim Tankersley記者)
(C)2022 The New York Times

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