「自己肯定感が低い人」が起こしがちな問題行動 自分は劣っていると思い込んで加害者になる時

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自己肯定感の低い人は、争いごとを避けるがあまり自分自身が知らない間に「加害者」になってしまうことがあるという(写真:Pangaea/PIXTA)
自己肯定感の低い人は、意識的、あるいは無意識的に自分が傷つかないために、さまざまな自己防衛策を講じますが、これが人間関係を難しくしていることが少なくありません。本稿では、自己肯定感が低いゆえに他人に合わせすぎてしまう心理について、心理療法士として長い経験を持つシュテファニー・シュタール著『「本当の自分」がわかる心理学』より、一部抜粋・再構成してご紹介します。

他者よりも劣っていると思い込む

自己肯定感の低い人は傷つきやすいため、自分がこれ以上傷つかないように「防衛戦略」をとるようになります。

そうした人の中には、幼少期の体験から、「私は他者に合わせなくてはいけない」「私は他者よりも劣っている」と思い込んで、無意識のうちにその信念に従って行動してしまっている人も少なくありません。

こうした信念を持っている人は、拒絶されることに対する過剰な不安から自分自身を守るため、人と争うことを極端に嫌がるようになります。そして、相手の期待を先回りして、場の調和を保とうと必死になります。

このように、他者と調和(ハーモニー)を保とうと一生懸命になっている人は、周りの人の期待にできるかぎり応えたいと思っています。そうすれば、ほぼ確実に自分のことを気にかけてもらえ、認めてもらえるという経験を子どものころにしたからです。

そして、周りの人にできるかぎり合わせるために自分の願望と感情を抑えることを、早くから学んでいます。周りの人に合わせるためには、自分の強い意志は邪魔になるのです。とくに、自分の意志を強く後押しする怒りや攻撃性を反射的に抑えています。ハーモニーを重視する人は、攻撃性が抑制されている内気な人なのです。

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