「自己肯定感が低い人」が起こしがちな問題行動 自分は劣っていると思い込んで加害者になる時

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さらに、自分の領域にズカズカと踏み込まれたり侮辱されたりしたときには、怒りではなく悲しみで反応します。それゆえ、この防衛戦略を持つ人は、怒りの感情にうまく向き合える人よりも、うつ病になりやすいといえるでしょう。

とはいえ、内気な人に怒りの感情がないわけではありません。彼らは、メラメラと燃える怒りを「冷たい怒り」に変え、その怒りをしばしば「受動的な攻撃」によって表しています。たとえば、どうしてほしかったのかを口に出して言う代わりに、むっとして相手と接しないようにし、相手との間に壁をつくってしまったりするのです。

自分を守るために人に合わせるタイプの人になるのか、あるいは抵抗するタイプの人になるのかは、子ども時代の経験だけでなく、生まれつきの素質にもよります。

自分の願望を抑えすぎるがゆえに…

親の期待にそむき、親に反抗することの多い子どもは、衝動的に行動する素質を持っているのに対して、調和を保ちたいという欲求が強い子どもは、たいてい温和で繊細な素質を持っています。

ただし、調和を保つために自分の願望を抑えることを訓練していると、自分の願望がよくわからなくなっていきます。すると、自分自身の目標を定めたり、決定を下したりすることが難しくなってしまうのです。

人づき合いで調和を大切にする〝ハーモニー熱心者〟は、とても親切で感じの良い人だと思われるでしょう。でも、その人たちが防衛戦略として調和を保とうとすると、かえって人間関係がこじれたり破綻したりすることがあります。

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