「自己肯定感が低い人」が起こしがちな問題行動 自分は劣っていると思い込んで加害者になる時
そして、調和を求め過ぎる〝ハーモニー中毒者〟になってしまうと、周りの人に不快な印象を与えることをひどく恐れるようになり、それゆえ衝突することに臆病になってしまいます。その結果、自分が感じていること、考えていること、したいことを正直に言わないことが多くなるのです。
さらに、ハーモニー志向者は相手のことをすぐに「自分よりも優位に立つ大きな存在」と認識し、この「認識のゆがみ」のために被害者意識を持ちやすくなります。
つまり、強そうに見える相手に対する不安から、その相手に自発的に従い、実際には自分が望んでいないことまでもしてしまう。するとハーモニー志向者にとっては、この強そうに見える相手が〝加害者〟に見えてくるのです。
突然相手を「拒絶」するように
こうして、ハーモニー志向者は自己評価を相手の頭の中に投影し、自ら相手に服従する状況をつくってしまっているのですが、彼らはそのことに気づいていません。
その代わりに、自分よりも力があるように見える相手に対して、不快な感情を持ってしまいます。彼らの心の中で、「自分は雑に扱われている」「支配されている」という感情が大きくなればなるほど、自分が自由に行動できる余地を守るために、相手から離れようとする傾向が強くなります。
しかし、相手には通常、このプロセスに介入できるチャンスはありません。なぜなら、このプロセスはハーモニー志向者の不安から起こっているにもかかわらず、本人がその不安を認めていないからです。
その結果、相手は抵抗から身を守るために、まさにハーモニー志向者がもっとも避けようとしていること、「拒絶」をしてしまいます。こうして、ハーモニー志向者が恐れていたことが現実のものとなるのです。こうしたことはよく起こり、「被害者−加害者−倒錯」と呼ばれています。
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