――帰国後、忠告に従って結婚相談所に入会したのでしょうか。
私は人を見る目と営業能力には自信があったので、当時はまだ珍しかったネット婚活を自分でやりました。できるだけ可愛い写真でプロフィールを作って掲載したら、90人ほどの男性からお見合い申し込みをいただいたのを覚えています。32歳と比較的若かったのでそれだけの連絡を得られたのでしょう。
譲れない結婚の条件もありました。仕事をずっと続けさせてほしいこと、子どもは欲しいけれどそのお世話は夫となる人に積極的に担ってほしいこと、の2点です。
今までの経歴と今後のキャリア展望を含めた詳細なプロフィールを作っておき、お見合い申し込みをしてくれた男性の中からある程度絞った人たちに送って反応を見ました。
――まずは間口を広げて、次に詳細を提示する。2段階に分けた賢い戦略ですね。
私の詳しいプロフィールと条件を見ても連絡をとり続けてくれた方の中から5人に絞って実際に会いました。今の主人はそのうちの1人です。上場企業の社員でしたが、3年前に早期退職をして今は主夫をしてくれています。
ここ10年ほど愛知県の豊橋市に住んでいますが、東日本大震災がきっかけでした。平日は私が豊橋の自宅に子どもたちと暮らしていて、休日はすでに開業していた結婚相談所の仕事のために新幹線で上京していました。
都内で会社勤めをする夫は平日は都内で暮らし、週末になると愛知に来て、家事と育児を私とバトンタッチ。しばらくはすれ違いの生活をしていましたが、東京っ子の夫も子育てがしやすい豊橋での暮らしを気に入り、今ではすっかり地域に馴染んでいます。
年に数回しか帰国しない駐在員の婚活は大変だった
――家庭を重視してくれる配偶者を得ることに成功されていますね。そのおかげもあって、結婚相談所の会員には、24時間体制の秘書のように仕えているそうですね。
特に海外駐在員の方にとっては臨機応変な対応が不可欠だからです。例えば、結婚相談所業界では「マッチングしたら1カ月以内にお見合いをする」ことがルールだったりします。でも、海外駐在員は年に2回ほどしか帰国できないのでマッチング成立後1カ月以内のお見合いはほぼ不可能。
コロナ禍前は「オンライン」なんていう言葉は結婚相談所業界では通用しなかったので、海外駐在員は帰国したときでないとお見合いができなかったのです。だから、先方の結婚相談所に事情を説明して、帰国のタイミングまでお見合いを待ってもらっていました。
そのときまでに先方が他の人との本交際が始まってしまったら仕方ないともお伝えします。こちらもワガママを言っているのだからお互い恨みっこなし、です。
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