
好きな人からは誠実に向き合ってもらえない、あまり好きではない人から好かれることはあるけれどどうにも気乗りしない――。恋愛にありがちな矛盾だ。憧れや自信のなさが目を曇らせて、自らの価値や適性を測り難くしているケースが多い。
北国出身で大学進学と同時に東京で暮らしている牧野聖子さん(仮名、38歳)の場合は、「オス味が強い、EXILEみたいな人」という明確にして高めの好みがあった。黒の長袖ニットを着こなしている聖子さんは大人っぽい雰囲気のロングヘアで、趣味でDJをしつつ飲み会中心の社会人サークルを運営していたこともある。4回の転職を経て、現在は大企業のグループ会社で法人営業職を務める。聖子さん自身が「オス味」が強めのリーダータイプと言えるかもしれない。
20代のときは結婚願望なし
「学生時代から4年ほど付き合っていた先輩がいます。学年は1つ上なのですが、浪人と留年で年齢は5歳上(笑)。お互いに結婚願望はなく、卒業後に別れました」
家族仲は良いけれど自分自身は結婚に良いイメージを持てなかったと振り返る聖子さん。爽やかで強い男性に心惹かれながらも、自分は専業主婦の母親のように従順にはなれないと感じ続けていた。
「20代半ばからの10年弱は誰とも真剣に付き合わずに適当に遊んでいました。責任を負いたくなかったからです。結婚生活には制約が多いというネガティブな印象は友だちの論調に影響を受けていた気がします」
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