「結婚は自分に制約を課すことばかりでメリットがないのではないかと思っていました。でも、2023年のはじめに人生設計が狂うような出来事があったんです。
いま話題のSNS型投資詐欺にまんまとハマり、懸命に働いて貯めた6000万円以上が1カ月で消えてしまいました……。そのときに初めて、心の底から頼れて相談ができるパートナーがほしいと思いました」
東京・茅場町にあるカフェで会計コンサルタントの水野由紀恵さん(仮名、41歳)と会っている。衝撃的な事件であるが、その詳細を聞くのは本連載の趣旨ではない。東海地方出身の由紀恵さんは大学進学時から首都圏で暮らしている。結婚願望の薄かった彼女の40年間を恋愛関係を中心に振り返りたい。
公認会計士を目指して猛勉強したのち、コンサルへ
大学卒業後は大手の化学メーカーに就職し、九州などで営業担当をしていた由紀恵さん。年功序列のゆるめの社風に飽き足らず、「もっとバリバリ働きたい」と思って公認会計士の資格取得勉強を始めた。
「結局資格は取れませんでしたが、会計系のコンサルティング会社に転職できました。31歳のときです」
その会社では期待以上にバリバリ働く日々が待っていた。出張続きで土日返上が当たり前。最初の3年間ほどは結婚などを考える余裕はなかった。
「飲み会で知り合った人と付き合ったりはしていましたが、そもそも私は『結婚は女性が割を食うだけ』だと思っていました。共働きが当たり前の時代ですが、家事や育児が多めに女性にのしかかるイメージが強かったです」
無料会員登録はこちら
ログインはこちら