これに答えるのが、『最強の働き方」『一流の育て方』などのベストセラーでもよく知られる、ムーギー・キム氏。京都に生まれ、日韓両国の文化の中で育ち、フランス・香港・シンガポールで学び働きながらも、物心がついたときから40年にわたり、日韓関係について考えてきた。
そんななか、世界の視点で日本と韓国の特徴を論じた新著『京都生まれの和風韓国人が40年間、徹底比較したから書けた! そっか、日本と韓国って、そういう国だったのか。──文化・アイドル・政治・経済・歴史・美容の最新グローバル日韓教養書』が発売された。著者が「人生を通じて最も書きたかった1冊」だという。
本記事では、そのムーギー氏が「急速に変わってきた韓国の男女関係」について解説する。
「大統領も尻にしかれる」女性が強い国
韓国といえば、経済も政党もアイドルも何かと変化が速いが、国民性の変化も「パルリパルリ(はやくはやく)」だ。20年もたてば世代間でかなり違う国民性を持つグループが誕生している。
サムスン・ギャラクシーのモデルチェンジ並みに、韓国人のカルチャーアップデートは極めて速い。
この韓国社会の変化のスピードには、悠久の歴史を誇る儒教文化も抵抗しきれない。
儒教といえば、父子、君臣、夫婦、長幼、朋友といった上下の関係を定めた人間関係を保つためのこと細かなルールがあるのだが、なかでも完全に韓国文化で急速に変化したのが「男女の人間関係」である。
「韓国女性は世界一不利な立場にある」などと過去の話をいまだにする人は、現在の変わりゆく実態をご存じではない。
男尊女卑で有名だった儒教の教えはどこへやら。いまでは韓国ほど「女性が急速に強くなっている国」はないのではなかろうか。
たとえば金建希(キム・ゴンヒ)大統領夫人も、じつに強そうだ。晩餐会でお酒の進む大統領をにらみつけるあの怖い目つき、朴槿恵(パク・クネ)前大統領を訪問し、送迎するときに道に出すぎて車の邪魔になっている尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の腕をひっぱるときのあの「イライラ」感は、強い奥さんの尻にしかれている恐妻家の男性であれば、すぐにその家庭内パワーバランスを察することができたことであろう。
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