また美容にしても学習能力にしても、総じて相対的なものだが、多くの人がしのぎを削るので、十分きれいで十分がんばっていても、「周囲に比べて取り残されている」かのような過度のストレスを感じる人が多いようである。そしてこれらのコストは、往々にして、総じて男に降り注ぐのだ。
豊かなのに「産みたくない」「死にたい」
「過度の競争意識」から、「大きなストレス」を抱える人も少なくない。先の大統領選挙でも話題になっていたが、自殺率はOECD加盟国ではダントツに高く、国が貧しかった1960年代などと比べても、豊かになったはずなのに自殺率は大きく上昇した。
ご存じのとおり、日本と韓国は家電や自動車からサッカーまでなんでもしのぎを削っているが、「自殺率の高さ」や「出生率の低さ」「従業員が感じるエンゲージメントの低さ」などでも、世界ワーストレベルで競い合っている。
実際に報道されるような芸能人だけでなく、私が個人的に知っている人でも、自殺者が何人かいる。この表に現れている数字の裏で、どれだけ多くの人が苦しんでいることだろうか。
この要因となっている貧富の格差是正問題は、不動産価格の高騰とともに、国政選挙で最もホットなトピックである。「経済的には先進国になったのに格差が拡大して、苦しんでいる個人が多い」ということが、社会的にも問題視されているのだ。
社会や文化の変化や貧富の拡大速度もパルリパルリすぎて、社会的弱者にとっては「産みたくない国ナンバーワン、死にたい国ナンバーワン」になってしまいかねない韓国。今後、尹錫悦大統領が目指すべきは「産みたくなる国、長生きしたい国ナンバーワン」の実現であろう。
日本と韓国の社会問題は、実はその多くが共通しており、お互いがある意味、「政策の社会的実験場」でもある。
日韓両国がこれら課題の解決のために知見を共有して協力し、「社会的な課題を解決する政策の質での、健全な日韓戦」を期待したいものである。
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