第2に、韓国企業では日本企業に比べて産休がとりにくく、会社からの産休中の給与支給も、じつは世界有数の手厚さを誇る日本と比べると劣っている。
したがって、「妊娠コスト」を社会や会社がかなり見てくれる日本に対し、韓国では夫にその多くがのしかかることになる。また基本的に韓国では、女性の権利は拡大したが、義務は男性に寄せたまま、という「逆不平等」になっている家庭も結構多い。
これは、ダブルインカムの男女がなにかと生活費を分担し合う日本の多くの夫婦と比べ、大きな違いであるといえるだろう。
韓国は日本以上に「美容サービス」が充実している
第3に、韓国女性の「美容への意識」の強さも、妊娠への心理的ハードルを上げている。
たとえば、一部の人々が、女性が出産すれば体形が崩れ、皮膚が荒れ、毛髪が抜けて……といった「美容への脅威」をあおり立てすぎたからか、「妊娠でこんなに苦しんで犠牲になっている私、すべては夫のせいだ!」と怒る人も結構いるのだ。
出産育児は個人の自由であり、子どもを増やすことだけが一概によいことだとは思っていない。しかし「外見への投資コスト」と「過度な教育費負担」が、結婚と出産を困難にし、急速な高齢化社会につながっている面も否定できない。
ちなみに美容に関しては、韓国にはスキンケア、ボディケア、リフティング、ヘアサロン、ネイルサロン、ボトックス、美容整形、脱毛、増毛などあらゆる美容サービスが、高価格帯から低価格帯までじつに充実している。これらはもちろん日本にもあるが、韓国では本当にそこら中にあるのだ。
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