「3つの誤解」を消せば「雑談王」になれる納得理由 「遠くの親戚」より「赤の他人」こそ幸福感のカギ

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遠くの親戚や家族などのようにうるさいことも言わないし、押しつけがましくもない。適度な距離間の関係性では「礼儀」も保たれるし、なるべく親切であろうとしますよね。

そういった人たちであれば、噂を広めることもない、「自分の知らない情報」も持っている、「自分にないスキル」を持っていることもあります。利害関係のない他人との関係性は、それほどメリットが大きいということなのです。

実際、これは私も個人的に実感しています。旅先で会う地元の人、会合でお話しする人、友達の友達、そこまで深い付き合いではない知り合い。ふとした機会に、そういった人たちと交わした会話が、仕事につながったり、子どもの学校について有益な情報を得たりといった経験が山ほどあります。

【雑談に対する誤解③】「雑談は『何を話すのか』が重要である」

「おひとりさま」時代には、「子どもに面倒を見てもらおう」とか「家族や親戚に頼ろう」というよりは、近所の人や知り合いや知人に力を借りたり、行政や病院の専門家に知恵を借りたりするほうが現実的かもしれません。

まさに「赤の他人」「友達未満の人」と上手に折り合う力こそが、これからの時代をたくましく生き抜く武器となるのです。

だからこそ、「お金という資産」だけではなく、「つながり資産」も蓄えておきたいものですが、とはいえ、やはり見知らぬ人との雑談や会話は簡単ではありません。ラクで楽しい雑談を邪魔するのが、3つ目の「雑談は何を話すのかが肝である」という思い込みです。

「自分が無理に話さない」のが「雑談王」への近道

人見知りだった私自身、8年前にアメリカでコミュ力修業をするまでは、「雑談下手」で、知らない人との会話に緊張ばかりしていました。「雑談は自分が何を話すのかで決まる」と考えていたので、自信のない私は、なかなかうまく会話を進められなかったのです。

しかし、アメリカで「世界最高の雑談術」を学んで、「自分が無理に話さないほうが雑談上手になれる、それが『雑談王』への最短の近道」だと知りました。もうそこからは「無双状態」です。

誰に会っても、誰と話しても、緊張しないそして、毎日が楽しい。帰国して始めた「コミュニケーションの家庭教師」のビジネスも、「雑談力」のおかげで、「売り込まなくても、お仕事が入る」ようになったのです。ぜひ、みなさんもこの「雑談力」という「人生最強の武器」を手に入れてみてくださいね。

 

岡本 純子 コミュニケーション戦略研究家・コミュ力伝道師

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おかもと じゅんこ / Junko Okamoto

「伝説の家庭教師」と呼ばれるエグゼクティブ・スピーチコーチ&コミュニケーション・ストラテジスト。株式会社グローコム代表取締役社長。早稲田大学政経学部卒業。英ケンブリッジ大学国際関係学修士。米MIT比較メディア学元客員研究員。日本を代表する大企業や外資系のリーダー、官僚・政治家など、「トップエリートを対象としたプレゼン・スピーチ等のプライベートコーチング」に携わる。その「劇的な話し方の改善ぶり」と実績から「伝説の家庭教師」と呼ばれる。2022年、次世代リーダーのコミュ力養成を目的とした「世界最高の話し方の学校」を開校。その飛躍的な効果が話題を呼び、早くも「行列のできる学校」となっている。

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