2つ目の間違った思い込みは「雑談は居心地が悪いだけで、意味がない」という誤解です。これについては、『「雑談力」こそ「人生最強の武器」である超納得理由』でその効用についてたっぷりとご紹介しましたが、知らない人との何気ない雑談こそが実は幸福感のカギになるという研究が山のようにあります。
カナダのある研究によれば、赤の他人であるコーヒーショップの店員とあたかも知り合いのように会話をしたり、アイコンタクトを交わしたり、笑顔を見せることで、「幸福度」が上がったのだそうです。
この結果について、研究者は「一般に、見知らぬ人とコンタクトを持つことにはためらいを感じるが、そういう人たちとまるで知り合いのようにやりとりをすることで、気持ちが上がる」と結論づけています。
その理由として、見知らぬ人とでも、雑談などによって、「sense of belonging(所属感、相互信頼感)」を感じることができるからなのだそうです。
「弱いつながり」でも、「体のサプリ」になる
2020年の国勢調査によれば、日本の総世帯に占める単身世帯の割合は、5年前に比べ3.4%増えて38%となり、1980年から、ほぼ倍増しています。まさに「おひとりさま時代」の今を生き抜くカギは、ずばり「雑談力」にほかなりません。
最近読んだアメリカの心理学誌に「ビタミンSの恩恵」という記事がありました。Sとは「Stranger(見知らぬ人)」のことです。これからの時代は家族などの「強いつながり」でなくても、「弱いつながり」でも、ビタミンのように体のサプリになるということなのです。
なぜ、それほど知らない人との関係性が大切なのか。
【1】「依存関係」がない
【2】「上下関係」がない
【3】「利己的な動機」がない
この3つが理由なのだそうです。
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