トラックマンを日本で広めるアナリストの生き様 星川太輔氏が野球部門の責任者になったわけ

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当時、MLBではトラックマンに光学カメラによる画像解析を組み合わせた「スタットキャスト」と言う解析システムが30球団すべてで導入されていた。今、MLBの公式サイトでは一般的な記録(STAT)とともにスタットキャストのデータも公表されている。しかし日本でのトラックマンの普及はなかなか進まなかった。

「球団によって価値基準や文化が違いますから。どちらかといえばIT系の親会社の球団は速かったですね。中にはアメリカに飛んで行って直で交渉した球団もありました。でもそれを活用するまでが、また時間がかかりました。

導入しても1年目は“選手に見せません”と言う球団も中にはありました。“まず自分たちで理解しないといけない”みたいな感じで、2015年にスタートして浸透するまでに2~3年かかりました」

投手が数値化されることに注目し始めていた

「当時、ある球団にシーズン通して張り付いていたのですが、その球団のエースは登板の翌日、アナリストのところに必ずやってきて“あの時の投球のデータはどうだったか?”を確かめていました。自分の投球の感覚とデータを照合しているんですね。

これを見たときに、時間がかかってもこれは間違いなく普及する、と思いました。投手は昔からボールの切れや回転の話をしていましたが、それが数値化されることに注目し始めたんですね。日本代表クラスのエースが言い始めたんだから、これは確実に広がるし広げていかないといけない、と思いました」

広尾 晃 ライター

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ひろお こう / Kou Hiroo

1959年大阪市生まれ。立命館大学卒業。コピーライターやプランナー、ライターとして活動。日米の野球記録を取り上げるブログ「野球の記録で話したい」を執筆している。著書に『野球崩壊 深刻化する「野球離れ」を食い止めろ!』『巨人軍の巨人 馬場正平』(ともにイースト・プレス)、『もし、あの野球選手がこうなっていたら~データで読み解くプロ野球「たられば」ワールド~』(オークラ出版)など。

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