アップルが挑む"腕時計"にワクワクはあるか 4月発売に向けていよいよ詳細を発表へ

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10~12月の第1四半期の売り上げ構成を見るとiPhoneの売り上げは全体の55%を占めている。その四半期におけるiPhoneの平均単価は687ドルだった。ところが、業界全体のスマートフォン平均単価は2010年に440ドルだったが、現在は312ドルにまで落ちている。平均単価で687ドルという数字は、iPhoneがスマートフォンの単価下落トレンドの影響をほとんど受けていないことを示している。

それどころか、廉売Androidスマートフォンのメッカとも言える中国での販売も急伸している。昨年末の3カ月には、サムスンはもちろん、爆発的な成長で中国スマートフォン市場をけん引していたシャオミをも抜き去ったほどだ。

スマートフォン市場全体を見渡すと、Android端末に投資をしてきたメーカーの業績が軒並み急落しているが、iPhoneにはそれが当てはまらない。実はこのことこそ、Apple Watchの戦略的な存在意義を示していると筆者は考えている。

Apple Watchには仕上げやバンドの種類によっていくつかの価格バリエーションがあるが、おそらく売れ筋は400ドル程度のモデルで平均単価でも500ドル程度ではないかと予想している。

爆発的に売れるシナリオ

ではこの年にどれぐらいの出荷が見込めるだろうか。Apple WatchはiPhoneとの組み合わせでしか機能しない。これだけで市場が小さくなりそうだが、前述したように昨年末の3カ月でアップルは7450万台ものiPhoneを販売した。

現在、アクティブなiPhoneユーザーは何人ぐらいだろうか。明確な数字は見つけることができないが、昨年春の時点でアップル上席副社長のエディ・キュー氏は、iTunesのユーザーが8億人いると発表していた。全員がiPhoneユーザーとは限らないものの、それから1年が経過していることなどを考えれば、ひとつの目安とはなりそうだ。

8億台のiPhone利用者がいると仮定して、その3%のユーザーが購入したとして2400万台。5%ならば4000万台だ。5%は多く見積もりすぎだろうか。

もうひとつ考慮すべき数字がある。それはApple Watchの販売国。Apple Watchは専用のアプリケーションとサービスが必要となる。もちろん、基本的な機能はアップルが標準で提供するアプリケーションだけで提供できるだろうが、サードパーティを含めたエコシステムを構築できるレベルでなければ参入しないだろう。

アップル業界ウォッチサイトとして知られている「MACお宝鑑定団」のブログでは、一部の国と地域においてアップルの公式サイトがApple Watchの解説ページを持っていないことから、Apple Watchの販売地域が69カ国になると予想している。製品販売の時期が地域ごとに異なる理由も、生産立ち上げの問題に加えて、各地域における対応サービスの状況を見て、販売の優先順位を決めているのかもしれない。

もっとも、主要な市場では販売されることから、初年度に2000万~2500万台が売れる可能性はありそうだ。おそらくはiPhoneを販売する携帯電話キャリアとも、販売促進プログラムに関してのネゴシエーションもあると推測する。

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