「なるほど」「確かに」はダメ?相槌の打ち方のコツ 会話を深めたいなら「5W1H質問法」を用いよう
なお、「『なるほど』『たしかに』などを目上の人に使うのは失礼にあたるので、『おっしゃる通りです』『私もそう思います』と言い換えたほうがいい」といった説をよく見聞きします。
しかし、そんな長い相槌はかえって話の流れを妨げることになりかねませんし、そこまで気にする人はそれほどいないのではないか、とも思います。実際、私も「なるほど」「たしかに」を使ってしまうことがしばしばありますが、今のところ、叱られたことはありません。
ですから、あまりナーバスになりすぎず、万が一「なるほど」「たしかに」を使って注意されたとき、相手が不快そうな顔をしたときには、以後、その人に対しては使わないようにする……程度でよいのではないかと思います。
話しやすい人が行う質問のはさみ方
次に、質問のはさみ方についてお話しします。これは、話しやすい人になるための、重要ポイントの1つだといえるかもしれません。
私個人の経験からすると、こちらの質問の仕方一つで、相手は「この人は自分の話に興味を持ってくれている」と思いますし、相手の会話への力の入れ方も情報の取れ高も大きく変わります。
なお、私が質問の技術を身につけたのは、ライターの仕事を始めてからです。取材相手の中には、口数が多い人もいれば少ない人もいます。口数が少ない人の場合、こちらが用意していった質問に対して、一言二言しか答えが返ってこないこともしばしばあり、それだけではとても原稿にはなりません。そうなると、あの手この手で話を引き出し、内容を膨らませる必要があります。
質問をするための基本は、相手の話を集中してきちんと聞くことです。最初から過不足なく完璧に話せる人はほとんどいないので、必ず疑問に思うことが1つや2つは出てきます。「いや、自分は人の話を聞いていて、疑問を持ったことはあまりない」という人は、相手の話に対し、常に5W1Hを投げかけるようにしましょう。
ご存じの方も多いと思いますが、5W1Hとは、
■When:いつ
■Where:どこで
■Who:だれが
■What:何を
■Why:なぜ
■How:どのように
といった英単語の頭文字を取ったものです。
たとえば、ある人が「前に、大きな魚を釣ったことがあってさぁ」と話していたとします。その場合、「Who」が話し手だということだけはわかっていますが、それ以外の4W1Hについて、より詳しい情報を手に入れるべく、話を聞きながら、あるいは話をひと通り聞いたあとで質問します。