「なるほど」「確かに」はダメ?相槌の打ち方のコツ 会話を深めたいなら「5W1H質問法」を用いよう
私は後者です。そして、おそらく多くの人がそうなのではないかと思います。
人が愚痴や悩みをこぼすのは、基本的には相手に共感や同情を求めているときです。事情もよく知らず、性格も異なる人に中途半端なアドバイスをされるより、ただ聞いてほしいだけ、ということもしばしばあります。
もちろん、アドバイスを求められたとき、相手から「励ましてほしい」という要望があったときは、話をていねいに聞いたうえで、一言二言、ポジティブな言葉を返すといいでしょう。
その際も、「自分が言いたいこと」を言うのではなく、「もし自分ならどんな言葉をかけてほしいか」を考えると、(もちろん、人それぞれ性格が違うので、必ずしも同じ言葉を相手が欲しているとは限りませんが)「正解率」は高まるのではないかと思います。
できるだけ物事を決めつけない
なお、私が人と話しているときに、もう1つ気をつけているのが、「できるだけ物事を決めつけないこと」です。
たまに、「話し方」について書かれた文章などに、「物事ははっきり言ったほうがいい」「『私は~だと思う』『~の可能性が高い』『~のほうがいいのでは?』といったあいまいな表現は使わないほうがいい」と書かれているのを目にすることがあります。
たしかに、断定的な物言いをしたほうが、話した内容が聞き手に伝わりやすく、印象に残りやすく、「この人は頼りになる」と思われやすいでしょう。特に、スピーチやプレゼンをするとき、どうしても何らかの商品やサービスを売らなければいけないとき、経営者やカリスマを目指す人などは、断定的な物言いをしたほうが効果的です。
逆に、あいまいな物言いをすると「結局何が言いたいの?」と思われやすく、あいまいな物言いをする人は「責任を回避している」「逃げ道を作っている」「自信がない」と判断されがちです。
しかし、私は、特に人から悩みを相談されたとき、意見を求められたときなどに、「絶対に~したほうがいい」「絶対に~だ」と言うことはめったにありません。「どちらかといえば、こうしたほうがいいと思う」「いろいろな意見があるけれど、私はこう思う」といった言い方をするようにしています。
クイズや試験問題ならともかく、人々の抱える悩みや世の中の問題に、100%完璧な解決策など、そうはありません。たとえその時点では「いい」とされていたことが、数年後にはまったく評価が変わってしまうということもしばしばあります。
また、人それぞれ性格も価値観も立場も違いますし、同じできごとを見ても、感じ方、とらえ方は人によって異なります。