寒さや雪が「共通テスト」受験生に及ぼす悪影響 テスト日が寒い都道府県ほど東大入学者が少ない

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入学試験会場へ向かう受験生
(写真:阿野陽/PIXTA)

高校3年生の冬、筆者がセンター試験(現大学入学共通テスト)を受けたのは雪の日だった。会場の公立高校は暖房が十分でなく、窓際の席では試験中も寒さが気になった。志望大学には、センター試験の問題1問分の点数が足りず落ちてしまった。翌年、浪人生として再び臨んだセンター試験の会場は、空調設備が段違いに整った私立大学だった。2年目で無事志望大学に合格できたが、「もし1年目の会場がその私立大学だったら結果は違ったかもしれない」という思いが胸に残った。

こうした苦い思いを持つ受験者は少なくないのではないか。近年、気温が認知能力、とりわけ試験の結果に与える影響を分析する研究が増えている。とくに試験日の暑さが試験結果に与える影響については研究が盛んで、米ニューヨーク市の高校生が受けた試験、中国の大学受験の結果を用いた研究などが行われている。

筆者も共著者とともにブラジルの大学入試の点数を用いた研究をしている。いずれも、試験日の高い気温が試験の点数を低下させるという結果を得ており、暑さが認知能力を低下させることを示唆している。

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