「平成の大合併」が原因、河川の水質への悪影響 旧市町村間の調整の難しさ、周縁部の軽視

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高知県越知町 植物博士牧野富太郎が愛した横倉山と清流仁淀川
(写真:torigatayama/PIXTA)

「平成の大合併」終了から十数年が経った。国主導で合併が推進され、市町村数は1998年の3238から2012年には1725に半減した。地元の町の名前が変わるなど、身をもって変革を感じた人も多いだろう。この合併の目的は、人口減少や少子高齢化が進む場所における市町村の行財政基盤強化だった。それが果たされたかどうかについては地方財政への影響などマクロレベルの検証が進んでいる。一方、身近な行政サービスレベルではどのような影響があったのだろうか。

筆者と戸矢通義氏の共同研究では、環境への影響に着目し、平成の大合併が河川の水質汚染に与えた影響を分析した。環境に着目した理由の1つには、環境は市町村にとって重要な公共サービス(上下水道、ゴミ処理など)に関わると同時に、そのパフォーマンスをデータで評価しやすいことがある。

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