一方でガソリン車の魅力は、クルマをよりキビキビと走らせられるという点だ。エアーと同様に、首都高速道路に入り、制限速度80km/hのエリアでぐんっと加速してみると、アクセルペダルを踏む量に対しリニアな加速を感じられ、車速の伸びもいい。新型のガソリンエンジンもスペックは先代と同様で、最高出力110kW(150ps)/5500rpm、最大トルク203N・m(20.7kgf-m)/1600~5000rpmとなっている。だが、エキゾーストポートやタービン、コンプレッサーを改良することで、ターボチャージャーの過給応答性を向上させている。これにより、WLTCモード値で13.1~13.9km/Lという、これも先代と同等の燃費性能を維持しながら、より爽快な加速フィールを実現しているのだ。
とくにシフトレンジを「S(スポーツ)モード」に切り替え、ハンドル橫の左右にあるパドル式の7段式マニュアルシフトを使うと、かなりスポーティな走りが楽しめる。変速比を好みの段数にすることで、アクセルペダルの操作に対しパワーの出方がよりリニアとなり、まるでマニュアル車のように自在に操る感覚を味わえるのだ。また、下り坂などで段数を落とし減速度を高めれば、ブレーキペダルを頻繁に踏む必要もない。加えて、加減速時のステップシフト制御などを採用した「CVT(無段変速機)」の効果により、加速フィールだけでなく、エンジン回転数や音の変化が一体となった爽快な走りを体感できることも魅力だ。
走りだすとより剛性感を体感しやすいガソリン車
さらに高速道路のコーナーでは、e:HEV車と同様に、安心して走りを楽しめる。とくにガソリン車では、キビキビとしたパワー特性を活かすことで、より車体剛性の高さを実感できる。例えば、比較的スピードを維持したままコーナーに入ると、背が高いミニバンのわりにはロールが少ないことがわかる。また、低重心化されていることやリアサスペンションの減衰力を見直したことなどで、タイヤの接地感がつかみやすく、走行安定性の高さがよりわかりやすい。これは、静粛性を追求するために行った車体まわりの改善が、じつは走りにも貢献しているということだろう。車体とエンジンのバランスがいいことで、かなり爽快な走りを体感できた。
なお、スパーダとプレミアムラインには、「ブラインドスポットインフォメーション」も標準装備されており、車線変更時などでの安全性も高いことがうかがえた。走行中、自車の斜め後ろにクルマがいる際、その方向のドアミラー鏡面上のマークが点灯する機能だ。さらに車線変更などでその方向にウインカーを出すと、マークの点滅と警報音で注意を喚起する。つまり、自車の死角にいる車両の存在を知らせてくれるシステムで、新型ではレーダーの性能を向上させたことで、検知距離をさらに拡大している。
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