新型ステップワゴン、HVとガソリン車の確かな差 静寂性を優先するか、キビキビとした走りか

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試乗車の外観(筆者撮影)
試乗車の外観(筆者撮影)

乗車定員の7名または8名が乗った場合などは、当然クルマが重くなり、より駆動力を必要とする。また、クルマの流れがもっと速い場合も、アクセルペダルをゆっくり踏み込む余裕がなくなり、今回よりも低い速度でエンジンが始動するだろう。あくまで参考値として考えたほうがいいが、使い方によって実燃費はかなり向上するかもしれない。なお、e:HEV車の燃費性能は、カタログ上ではWLTCモード値19.5~20.0km/Lだ。

エアーe:HEVのハイブリッドモード

試乗車のリアビュー(筆者撮影)
試乗車のリアビュー(筆者撮影)

市街地走行でも速度を上げたり、登り坂を走る際は、エンジンが始動しハイブリッドモードに切り替わるが、そのときもかなり静かな印象だ。エンジン音はあまり聞こえない。1.5Lハイブリッドのヴェゼルなどでは、エンジン始動時にかなり回転が上がり、うなるような音が聞こえるのとは対象的だ。この点については、以前ホンダのテストコースを走行した際も体感したが、そのときは他車両が走っていない状況だった。前後左右に他車両などが走る一般公道でも同様の静粛性を確認できた。

では、高速走行時はどうだろう。前述のとおり、試乗には首都高速道路を使ったが、まずランプ入口の急な登り坂や合流レーンで加速しても、エンジンのうなり音はあまりしない。さらに本線に入り、最高速度60km/h規制のエリアを巡航、80km/hまで可能なエリアに入ったところでぐんっとアクセルを踏んでみても、エンジン回転はさほど上がらず、うなり音はしない。また、タイヤのロードノイズなどもほとんど聞こえないため、室内の静粛性は保たれたままだ。

エンジンに関しては、スペックこそ先代とほぼ同じで、高出力107kW(145ps)/6200rpm、最大トルク175N・m(17.8kgf-m)/3500rpmだ。だが、細部を見直すアップデートが行われている。とくに高圧縮比化するとともに(従来型13.0→新型13.5)、吸気損失やフリクションの低減により熱効率を向上させたことが大きなポイントのひとつだ。最大熱効率領域が拡大したことで、セッティングの自由度が増し、車速とエンジン回転数がより連動する特性となっている。さらにバッテリーの使用可能領域を見直し、ある程度バッテリーが充電されていれば、充電のためにエンジンが始動する際の回転が上がりすぎないような制御も行っている。これらにより、ハイブリッドモード切り替え時などに、従来型ほどエンジン回転数が急上昇することが少なくなっている。また、クランクの剛性アップなどで、エンジン自体が発する音を抑える工夫もなされている。

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