従来の尺度で考えれば、ほめられることはうれしいことであるはずだ。事実、少し前には「ほめられて伸びるタイプ」というフレーズがよく使われていた時期もあった。だが、いまやそうではなく、「ほめ」=「圧」という図式はいい子症候群の大きな特徴なのだという。
そして2つ目は、ほめられた直後に、それを聞いた他人のなかの自分像が変化したり、自分という存在の印象が強くなったりするのを“ものすごく怖がる”こと。
<ほめられてうれしいと感じる気持ちはもちろんあるが、そんなものはミジンコ級に感じるほど、目立つことに対する抵抗感は絶大だ。
それでもなお、人前でほめられ続けるとどんな気持ちになるかと複数の学生に尋ねたところ、「ひたすら帰りたくなる」そうだ。(34ページより)>
それでもなお、人前でほめられ続けるとどんな気持ちになるかと複数の学生に尋ねたところ、「ひたすら帰りたくなる」そうだ。(34ページより)>
ただし、彼らにも承認欲求はちゃんとある。どういうことかといえば、人前ではないところでほめられることは、原則として好意的に受け止めるというのである。考えようによってそれは、ほめてくれる相手に対して「ほめるべき環境であるかどうかを判断してからほめろ」と要求しているようなもの。なかなか難しいところである。
仕事に普通なんてない
そんな彼らだから、就職活動においても「いい子症候群」を発揮する。求めているのは「安定」、そして「普通」であることだ。ちなみに「安定」に関しては、メンタル的な意味でのそれも多分に含まれているという。
<周りがガシガシしてない感じ。上司とか先輩がガンガン来ない感じ。ルーチンな感じ。お前は何がしたいんだ、とか、まだ若いんだから、とか言われない感じ。
つまり、安定したメンタルで働ける、というニュアンスを含めての「安定」人気なのである。(131ページより)>
つまり、安定したメンタルで働ける、というニュアンスを含めての「安定」人気なのである。(131ページより)>
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