「良かれと思って」発したその一言が致命的だった 若者に「期待しているよ」と言ってはいけない

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
拡大
縮小
前編に引き続き、「その言葉をかけた瞬間、高確率で若者は引くだろうNGワードワースト5」を紹介する(写真:Fast&Slow/PIXTA)
新年度になり、新人研修や異動で初めて会う若者と話す機会も多い。
はたして何と言って励ませばいいのか、悩む人も少なくないはずだ。少なくとも、やる気をそぐようなことは避けたいところ。
しかも最近は、人前でほめられたくない、目立ちたくない、埋もれていたい……といった複雑な心理を抱える若者が増えている。
新著『先生、どうか皆の前でほめないで下さい』が好調な金間大介氏は、「今の若者たちの行動原理や心理的特徴は『いい子症候群』というフレーズがぴったりくる」と言う。イノベーションとモチベーションの研究家による、若者たちにかけてはいけないNGワードを考える後編。(前編はこちら

リスク回避は「いい子症候群」の最大の特徴の1つ

前編に引き続き、「その言葉をかけた瞬間、高確率で若者は引くだろうNGワード ワースト5」を考えてみよう。第5位は、「お互い切磋琢磨できる友人関係を作れ」、第4位は「まずはやってみなさい」「できあがったら持ってきて」だった。

『先生、どうか皆の前でほめないで下さい』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

さて、若者たちにかけてはいけないNGワードの第3位は、「若いときこそたくさん失敗すべき」「若いうちしかリスクは取れない」だ。

この言葉の背景にも、前編で触れた「武勇伝大好き大人」の香りが漂う。「俺が若いころはとにかくいろんなことに手を出してはめちゃくちゃやったもんだ」というやつだ。残念ながらこれらの類の語りはあまり若者には響きはしない(ただし、いい子症候群の若者たちは表面的な協調性に長けているので、響いた風のリアクションはする)。

何と言っても、いい子症候群の若者たちの最大の特徴の1つはリスク回避志向にある。リスク回避を通り越してノーリスク志向と言ってもいい。

次ページ武勇伝を語ってもよいタイミング
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT