夢も目標もない若者を変えた「ある趣味」の正体 「レールから外れる人生」を恐れなくなった理由
フリーエンジニアの丹治俊樹(33)さんは、全国各地の博物館、歓楽街、戦跡、宗教施設、飲食店などを訪れ、自身のブログ「知の冒険」に記録を残し続けている。各スポットの歴史的・地理的背景や関係者の証言まで書かれており、読み応えと学び要素のあるブログだ。
仕事以外の時間はすべて取材とブログに没頭する日々を送り、今年の夏ごろには全国の博物館を紹介する本の出版を予定。意欲的な活動を行う丹治さんだが、元々は夢もやりたいこともなく「没頭できる何か」を探しながらも、漫然とした日々を送っていたという。
そんな丹治さんが、どのように夢中になれることを見つけ、のめりこんでいったのか? 今までの道のりを伺った。
人の輪に入るのが苦手だった少年時代
神奈川県横浜市に生まれた丹治さん、子どもの頃は人と話すのが得意ではなく、集団にいるのが苦手だったという。
「幼稚園には意地悪な女の子がいて、その子に会いたくなくて『行ってきます』と家を出て玄関の横に潜んでいたりしました。結局親に見つかって『何やっているの!』と幼稚園に連れていかれましたが……」
高校時代は、学校が終わると家に帰ってドラマの再放送を見るか、ゲームセンターに通う日々だった。知らない場所に行くのは好きで、勉強の合間の息抜きに、自転車で気の向くままに行けるところまで走ってみたりしていた。
浪人時代は「さすがに勉強しないとまずい」と焦り、猛勉強して早稲田大学教育学部理学科へ進学。スキーサークル、バイトとそれなりに楽しい学生生活を送ったが、何かに夢中になることはなかった。
「バイトも授業もないときは、家でずっと寝て、テレビを見て、みたいな感じでした。授業はさぼったりしつつ、最低限単位をとっていました」
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