政令市でも若者の流出が続く「静岡と浜松」の苦悩 静岡市は婚活支援や新幹線通学支援も行うが…

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アーネ / PIXTA

日本に20ある政令指定都市(以下、政令市)。日本を代表する大都市のイメージが強いが、その大きさはピンキリだ。最大は横浜市の約376万人。一方、最小は静岡市の約69万人だ。なんと5.45倍の開きがある。

さらに、静岡県にはもう一つ政令市が存在する。浜松市だ。浜松も人口約79万人と政令市の中では小粒と言える。そして、この静岡の2大都市はともに「若者流出」という問題を抱えているという。その背景を検証してみた。

「平成の大合併」で現在の姿に

徳川家康とお茶、そしてサッカーのイメージが強い静岡市。静岡県の県庁所在地である。最新の総人口は69万869人(2021年8月31日現在 日本人は68万1人)で、前年同月に比べて4702人もの減少となっている。

2020年中の総人口の減少数3979人は全国6番目に多い。しかも、日本人だけで見ると総人口の減少幅よりも多い4235人の減少となっている(こちらは全国5番目)。人口約69万人は政令市20市で最下位で、東京都区部の世田谷区(約92万人)や練馬区(約74万人)、大田区(約73万人)よりも少ない。

現在の静岡市は、平成の大合併で、2003年に清水市と、2006年に蒲原町、2008年に由比町と合併。2005年に全国14番目の政令市になった。市の総面積は1411.83㎢と広い。20都市中、浜松市に次ぐ2番目の広さだ。

市域は東西50キロ、南北83キロで、駿河湾から日本第3位の高峰・南アルプスの間ノ岳山頂(標高3190m)までをカバーしている。市街地は全体の2割、残りの8割は中山間地域で、市はこのエリアを「オクシズ」と命名し、活性化に取り組んでいる。

静岡市の人口の推移を見ると、清水市と合併した2003年4月の総人口は70万人を超えていた。しかし、2012年以降は減少の一途で、2019年3月末には総人口が70万人を割り込んだ。

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