止まらない「東京一極集中」に見る強烈リスク コロナ禍で再認識された一極集中の問題点

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超過密都市・東京のハイリスクを顕在化させた新型コロナウイルス。一極集中の是非を今後、考えていく必要がある(写真:まちゃー /PIXTA)

東京都の新型コロナウイルス感染者数が連日100人超の勢いで増え続けている。

北海道での感染増加がニュースになっていた2月下旬、友人の札幌在住の医師が「北海道が目立っているのは今のうちだけ。いずれ東京でも多くの感染者が出るはず」と警鐘を鳴らしていたが、まさにそのとおりになった。東京都は区市町村ごとの感染者数(居住地別感染者数)を公表しているが、最も多いのは世田谷区で都内全体の1割近い。区市町村で人口が最多(約92万人)の区である。

人口密度が極めて高い

人口比からすれば当然の結果かもしれない。この先、東京都の感染者数はどこまで増えていくのか。ニューヨークのように一気に爆発的増加とならないことを願うばかりだが、感染者急増の事態を前に改めて東京一極集中の怖さを実感している人も多いのではないだろうか。

東京都の人口は3月1日現在で1395万人。面積は2194㎢。人口密度は1㎢あたり6359人。文京区、台東区、荒川区、豊島区、中野区は2万人以上という超過密ぶりだ。例えば、4月10日に初めての感染者が確認された鳥取県は人口約55万4000人。面積は3507㎢。人口密度は約158人である。鳥取県よりも狭い東京都に、鳥取県の25倍もの人々が暮らしているのが現状だ。

東京都の一極集中ぶりがいかに進んでいるか、データで検証してみよう。総務省の住民基本台帳人口移動報告によると、2019年1年間に東京都内への転入者は46万6849人、転出者は38万3867人で8万2982人の転入超過。全国トップである。前年が7万9844人の転入超過だったから、一極集中の加速が止まらない。

昼間人口はさらに膨らんで1592万人にもなる(2015年国勢調査=常住人口は1352万人)。昼夜間人口比率(常住人口100人当たりの昼間人口の割合)は117.8。区部は129.8で、常住人口5万8406人の千代田区に至っては昼間人口が85万人余りにもなるため、昼夜間比率は1460というとんでもない数値になっている。

他県から都内に通勤、通学している人は約290万人。都内に住む通勤、通学者(679万人)を合わせると約970万人が毎日何らかの形で移動している。“通勤・通学大移動”が毎日繰り広げられているのだ。

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