とにかく差がつく状況が苦手
突然だが、大半の大学生は大皿系の食事が苦手だ。どうしてもきれいに均等分配できないからだ。
コストコで巨大なホール型ティラミスを買ってきたときなどは大変だ。それを11人でシェアするときなどはますます大変だ。そもそも誰も切り分けようとはしないし、嫌々切り分け係になった人は、いかにしてきっちり11等分するかで四苦八苦する。
私は今の若者の心理的特徴を『先生、どうか皆の前でほめないで下さい』の中で分析し、「いい子症候群」というフレーズがぴったりくるという結論に達した。いい子症候群の特徴はいくつもあるが、その1つが、とにかく差がつく状況が苦手であるということ。特に過敏に反応するのが「自分だけが何らかの利益を得る」状態だ。
円型をきっちり11等分しようとするのも、少なくなった人がかわいそうというより、多くなった人の気まずさを意識してのものだ。
さて、ここでクイズを1つお出ししたい。次の4つの選択肢のうち、あなたはどれが最も公正な分配だと思いますか?
② 必要性分配
③ 実績に応じた分配
④ 努力に応じた分配
選択肢について少し解説すると、①平等分配とは、その名から連想されるとおり、年齢や性別、個々の能力などの個人差をすべて無視し、完全一律に分配することを指す。最もシンプルでわかりやすい分配方法であると言えよう。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら