「SNSで私生活さらす人」が見逃す不都合な真実 写真を加工しても「特定されるケース」が増加中
今や若者世代や子育て中の保護者にとって、子どもの写真や自分とのツーショット写真をSNSに公開することは当たり前のものとなった。一方で、写真を公開することで自宅を特定されてストーカー被害につながったり、写真を不正利用されるケースも増えてきている。「犯罪対策の一貫として画像を加工してから投稿している」という人も多いだろう。
筆者が先日話を聞いた40代の女性は「SNSで顔出しするのは危ないと聞いたから、顔をスタンプで隠してから公開している」という。いつもInstagramに子どもの写真を投稿しており、子どもの入浴姿や、入園式、七五三の写真なども公開し、ママ友たちのコミュニケーションを楽しんでいるようだ。
またある女子高生は、写真に写る自分の顔を「美しく見えるよう」加工してから投稿しているという。顔写真を投稿することに不安はないのかと尋ねると、「この写真ならどこに公開しても大丈夫だと思う」と言い切る。というのも、彼女がInstagramに投稿した写真は面影こそ残しているが、実際の姿からは大きく加工されたものばかりだからだ。
今回話を聞いた2人は「加工さえすれば安全」と思っているようだった。しかし、残念ながらそれだけで犯罪リスクをへらすことはできない。というのも、最近は「加工後の写真」から「加工前のもの」へさかのぼることができるからだ。
顔写真は「加工前のもの」に戻せる
たとえば2019年にアドビは、同社のPhotoshopにおける「顔立ちを調整(Face Aware Liquify)」機能による加工をAIで自動検出する技術を開発した。加工後の画像から、加工前の画像を高精度に復元もできるという。
また最近では「SNOWの加工画像の元写真を予想して加工する」とうたうアプリもAppleやAndroid端末で利用できるようになった。高精度とは言えないが、開発者は機械学習を学ぶエンジニアのようなので、同アプリの利用者が増えるにつれて今後、精度がさらに高まる可能性は高い。
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