若者が一緒に「働きたい・働きたくない50代」の差 増えていく若年層世代とうまく働いていくには

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また自分の収入に応じて生活をダイエットしていくという知恵と工夫も求められるのだと思います。こうした知恵と工夫は、年長者の方がよりうまく対応できると期待されることではないかと思いますし、そうした適応の姿も、若い世代からすれば自分たちの将来の手本・ロールモデルを示してくれているかどうか、という視点で評価されるように思います。

その上で、自分が得た自由をどのように日々の生活にいかすか、という観点で若い人との付き合い方を考えてみるといいと思います。

「海外旅行」の感覚で楽しめるか

そもそも今のシニア世代も、若い頃には年長者とのギャップを多少なりとも感じていたはずです。さらに、ネットの普及などで生活が大きく変わったことで、シニア世代と若い世代のギャップはかつてより大きくなっているはずです。このギャップを無理に埋めようとしたり、昔と変わらないと思うよりも、むしろ違うことを前提に若い人と付き合いたいものです。

それは例えるなら、文化や生活習慣がまるで違う海外旅行を楽しむ方法と同じ、と言えるかもしれません。海外に行って、普段とは違う食べ物や飲み物を味わったり、あるいは違う言葉に戸惑いながらも、一方で見慣れない珍しい風景や見たこともない街並みの美しさなどを楽しむのが海外旅行ではないでしょうか。

それと同じように、自分たちとは違うモノの考え方や行動様式に違和感を持ちつつも、若い人らしい新しい発想やユニークな仕事観などを面白がって受け止めてみる。じっくり話をしたり、付き合ったりしていけば、実はシニア世代にとっては当時常識とされていたために不本意ながら受け入れざるを得なかったことが、今の若い世代は明確にその違和感を表現することができている、など共鳴できる部分もあるかもしれません。

海外旅行に出た日本人の中には、せっかく異国に来ているのに、その国の文化や習慣に馴染めず「日本の方が優れている、この国は駄目だ」などと不満をもらし、まったく違いを楽しめない人がいます。こうした人たちは、若い人たちに対しても同じように接している可能性があるのではないかと、この文章を書きながら思いました。

せっかく自分とは違うものがあるのですから、目の前のものの悪い面だけでなくいい面にも目を向けて、それを楽しむことができれば若い人とのお付き合いも楽しいものになるのではないでしょうか 。

そして、違うものを違うものとしてありのままに受け止める、という態度は、昨今よくいわれるダイバーシティーや多様性といったものに対する個人の考え方や処し方の基礎にもなり、単に若い世代だけでなく、今の社会状況全般により適応しやすくなる、その第一歩になるのではないかと思います。

川端 康夫 アクティブビジョン創業者

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かわばたやすお / Yasuo Kawabata

1992年電通に入社。長らく営業部門にて電器メーカーや通信系の企業、NGO/NPO等を担当。その後KDDIへ出向し、新規事業立ち上げやベンチャー投資・育成に関わる。2013年には英国のタクシーサービス企業Hailo(ヘイロー 現・myTaxi)へ、KDDIオープンイノベーションファンドからの投資を担当するとともに日本法人COOとして国内の事業を立上げた。KDDIにて5年間余り勤務した後に独立し、2017年にアクティブビジョンを設立。主な得意分野は、IT全般、ソーシャルメデイアマーケティング、社会起業家支援、通信業全般、ベンチャー投資・育成など。2015年より始めたランニングはフルマラソン・サブ5完走レベル、航空業界・旅行業界等の知見もある。

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