50代以上の世代は、今後自分よりも若い世代と仕事をしていくことが増えていくことは間違いないので、その時どのように働いていくかを考え、体得する意味でも、こうした役割分担の発想で考えられると、自分が果たすべき役割もはっきりすると思います。
いつまでも上司部下の関係で働くとはかぎりません。役職定年や転職・再就職で上下関係が逆転する可能性もあることを踏まえて、対等に役割分担をするという思考回路を作っておくことは、長くやりがいをもって働くうえでのキーポイントではないかと感じています。
今回の事例でご紹介した若い人たちが優れていることは間違いないのですが、こうしたやり取りを通じて、少なくても私から彼ら彼女らに対する信頼は大きく深まりましたし、また相手の側でもそう感じてもらえているなら、個々人だけでなく所属する組織にとっても有意義なはずです。
自分の役職・肩書きが変わる時の捉え方
自分の役職や肩書きが変わる時の捉え方も重要だと感じます。中にはこの時、自分の出世が果たせなかったり、役職定年などに伴う権限を剥奪されるといったネガティブな面だけに目を向けてしまう人が少なくありません。しかし、ここでポジティブな面に目を向けることが若い人と一緒にうまくやっていくことポイントの1つだと思います。
自分が上司というポジションから外れるということは、責任から解放されるとともに、若い人に対しては「上司として接しなければいけない」という義務から解放され自由になるということでもあります。これまでよりもフラットに若い世代と接することができるということです。
もちろん、年長者としてのたしなみは求められますし、職務上の無責任な行動につながってはいけないのですが、役職定年やさらには定年とそれに続く再雇用という機会を、自分にとっての自由度が増すものと捉えてみてはどうでしょうか。
その自由を得る代償として賃金が減るという現実はあるでしょう。この点は、これまで長く社会人として活躍してきた知恵と工夫と努力が試されるところで、地道に貯蓄に励んだ人であればそういった資産で不足分を埋め合わせたり、昨今は副業を解禁する流れになっていますので副業でカバーしたりすることも必要でしょう。
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