【1月23日8時掲載】記事初出時(1月23日6時)、アディダスと表記すべきところ他社の社名を表記しておりました。訂正してお詫びします。
日本人の価値観は画一的だといわれるが、諸外国は宗教や文化が非常に多様だ。ちょっとした認識の違いが大きな問題に発展するケースがある。グローバルに展開する日本企業にとっては、これまで以上に宗教や文化、歴史観などには注意が必要だ。今回は、欧米で近年話題となった5つの大炎上事件を教訓として取り上げたい。
奴隷制を思い出させたシューズ
まずはアディダス。改めて説明するまでもなく、スポーツウェアやスポーツシューズで圧倒的な人気を誇るメーカーが大問題を起こしたのは2012年。「JS Roundhouse Mids」なるシューズを発表したときだ。
このスニーカーは、悪趣味にも、囚人が足首のところにはめられる、足錠のような特別なデザインだった。「しっかりとあなたの足首を包み込むための」とアディダスは説明していたが、かつて人間を奴隷として扱っていたころの悪しき歴史を想起させるものだった。大きな反発をくらい、あっけなく発売中止となってしまった。
アディダスはユニークなデザインのつもりだっただろうが、それはほとんど理解されず、少なくとも批判者の影に隠れてしまった。「JS Roundhouse Mids」と検索すれば多くの画像が出てくる。世間は正常な反応をしたといえるだろうか。筆者個人的には過剰反応ではないと思う。さすがに日本製デザインでこのテのものは出てこないと信じるものの、悪質なジョークはすでにジョークではなくなり、単なる挑発行為になると理解すべきだろう。
続いてギャップ(GAP)。日本ではユニクロとおなじファストファッションの代表格だ。東京では銀座、表参道などに店舗があり、筆者もよく利用する。どちらかというと、まじめでおとなしい、ベーシックな衣料を販売するイメージがあるアパレルだ。
ギャップがアディダスと同じ2012年に、Tシャツをめぐって大批判を受けたことを知る日本人はほとんどいない。というのも、日本語のニュースではほとんど報じられなかったからだ。
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