「最近の曲はよくわからない」。30代以上の読者なら、共通に感じているだろう。実は筆者もそうだった。かつて10代の頃、同じく「最近の曲なんてわからない」という先輩たちや年長者をみるとバカにしたものだ。「おじさんは流行歌がわからない。でも、自分はそうならないぞ」と。
しかし、時間が過ぎて30代になってみればどうだろう。「サザンオールスターズ」とヘビーメタルの新譜はフォローしているが、そのほか、流行歌などほとんどわからない自分がいる。たまにテレビで見かける歌手さえも、「誰、この人?」と周りに聞いて説明を受けても、よくわからない。こんなときがくるとは思わなかったが、加齢とはこういうものかもしれない。
ただし、この「流行歌がわからない病」は筆者だけではないだろう。なんといっても世の中が高齢化しているのだ。たとえば、カラオケはどうだろう。筆者のように「流行歌がわからない病」の中高年が増えるほど、誰も最新の歌を歌わないはずだ。特に、スマートフォンが流行している昨今は、旧来の曲をいつでも購入したりダウンロードしたりできる。
また、無料動画サイト「YouTube」には、曲の発表時期にかかわらず、優れた曲の動画がアップされている。それをいつでも享受できる時代になっているのだ。少子化の中で私のように歳を取っていく人が増えれば、カラオケでは最新の流行歌ではなく、青春の旧ヒットソングを歌う人たちが増えるに違いない。
それに、最近は「カラオケで古い曲ほど人気だ」という。実際はどうなのだろう。
古い曲が好まれるか定量的分析
ここでひとつ仮説検証のために尺度を導入してみた。それを「古さ指数」と呼ぼう。
たとえば、2004年に発表された曲が2014年にカラオケで歌われたとすると、2014-2004=10。2014年に2013年の歌が歌われたら、「古さ指数」は1だ。数が多くなるほど、古い曲が歌われたという目安になる。
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