今、若者の間で「恋愛離れ」が起きている、と言われています。われわれ30代以上の世代にはにわかに信じがたい話ですが、これは国の統計上も証明されている事実なのです。
国立社会保障・人口問題研究所「第14回出生動向基本調査」(2010年) によると、「交際している異性はいない」と回答した未婚者は男性61.4%(前回52.2%)、女性49.5%(同44.7%)といずれも前回から上昇しています。
以前、フジテレビの亀山千広社長が定例会見でこんなことを言っていました。
「テレビ業界全体で、僕らよりも若い作り手たちが、恋愛ドラマに興味をなくしているのかなと思う。他局でも作り手が出てきていない。テレビ全体の流れだと思う」
「大ヒットしている『アナと雪の女王』も、普通だったら王子様が活躍しなければいけない話なのに、最終的には姉妹の愛に行く。全世界的に恋愛ドラマがひとつの節目に来ているのではないか」――。
この発言からは、エンタメ業界においても恋愛離れが起こっていることがうかがえます。実際、かつて恋愛は多くの若者の最大の関心事でしたが、どうやら今ではそうではなくなっているようなのです。
今回は、私が主催する若者研究所の現場研究員が、若者の恋愛にまつわる興味深い現象についてレポートしてくれます。
今の若者たちは、確かに恋愛から離れているものの、逆に「友達以上恋人未満」の不思議な関係が増えているというのです。
男女の程よい関係、それが「添い寝フレンド」?
今、一部の若者の間で、「ソフレ」という関係が流行している。これは「添い寝フレンド」の略で、肉体関係を持たず、添い寝だけをする異性の友人を指す。この「ソフレ」が増えているのはなぜだろうか。ソフレを持った経験のある若者へのインタビューを通し、その実態に迫った。
Aさんは体育会系のサークルに所属する女子学生。ソフレは2つ年上の学校の先輩で、もともと同じ寮に住んでいた。ソフレ関係のきっかけは、その男性が寮を出て、一人暮らしを始めたこと。2人で映画を見に行ったり、食事をしたりしているうちに、相手の家で添い寝をするようになったという。
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