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アディダス、GAPの大炎上事件から学ぶこと 「ジョークだった」では済まされない

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問題になったのは、黒地のTシャツに描かれた「Manifest Destiny」。このフレーズを見て、何が問題なのかがわかる日本人はほとんどいないだろう。だからニュース価値がなかったともいえるのだが、直訳すれば「明らかなる運命」となる。実はこれは、アメリカ西部の開拓を正当化したフレーズだった。つまり、白人の西部開拓時代とは、神が与えた運命であるということを示しているのだ。

歴史的に見てアメリカ先住民が受けた虐殺や抑圧、そして信じられない人権侵害を、ギャップはこの「Manifest Destiny」のTシャツで認めてしまったかのようにとらえられてしまった。当然ながら、少なからぬ人たちがギャップの不買運動を起こしたり、ネット上で批判活動を繰り広げたりした。

先住民への配慮が欠けたGAP

これも「Manifest Destiny」「GAP」などと検索いただければ、多くのニュースを読むことができる。私見では、これはやはりアメリカ先住民たちへの配慮を欠いた商品だったといわざるをえない。私はかならずしもリベラルな抗議行動を是としないが、祖先が虐殺された哀しみは消しがたい。

なお、ZARAは2014年に「WHITE IS NEW BLACK」という意味深なTシャツを発売し、これまた人種差別的だと批判をあびた。この騒ぎも、まだ世の中に横たわる人種間の隔たりを示している。意図的だったり、挑戦的だったりするのならともかく、日本のメーカーは世界が敏感なワードを使う際には、少なくとも注意が必要だろう。

そして、多くの騒ぎを引き起こすブランドとしてウォルマート、ZARAが食らった事件の教訓」(1月6日配信)でも取り上げた、アーバンアウトフィッターズ(Urban Outfitters)が挙げられる。簡単に振り返ると、1970年に、ベトナム戦争に反対する学生らが州兵から発砲され4人が射殺されたケント州立大学を揶揄して、血まみれの柄のスウェットを発売した一件だった。

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【懲りない「お騒がせブランド」】

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