食べて→吐く「過食症」コロナで増える異変の実際 コンビニで「1回2000円買う人」は要注意

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過食→嘔吐を繰り返す人たち。いったいそのメカニズムと対処法とは?(写真:Fast&Slow / PIXTA)

長引くコロナ禍は、われわれのメンタルヘルスにも大きな影響を与えている。OECD(経済協力開発機構)の調査によると、日本におけるうつ病患者はコロナ前より約2.2倍増えた。厚生労働省の統計では、女性の自殺者も31%ほど増えたとされている。

そんななか、極端に大量に食べたり、食べ吐きを繰り返したりする過食症も同様に増えているという。パークサイド日比谷クリニック(東京都千代田区)院長で、これまで多くの過食症患者のケアにあたってきた精神科医の立川秀樹さんは、「当院を訪れる過食症患者さんは、コロナ前と比べて1割程度増えた印象です」と語る。その一方で、同じ摂食障害でも食を受け付けなくなる拒食症にはあまり変化がないそうだ。

「わたし、過食症かもしれない」

そう不安に思って立川さんのクリニックを受診したのは、20代後半の女性Aさんだ。10代のころからやせ願望があり、ダイエットを繰り返していた。そのダイエットが過激になったのは、コロナ禍でテレワークが始まってからだ。

ほとんど通勤をしなくなり、また外出自粛で趣味のヨガに行けなくなったことで運動量が減った。やがて、「このままだと体重が増えるのでは……」と気にしはじめた。

このとき最初にAさんが始めたのは食事制限。運動でカロリー消費する代わりに、摂取カロリーを減らそうと思ったのだ。しかし、思ったほどに体重は減らず、終わりの見えないコロナ禍でストレスが蓄積。その結果、むしろ食べることに癒やしを求め、過食に走るようになった。

ダイエットを始めて2カ月経ったころには、仕事をしていても、テレビを見ていても食べもののことが頭から離れない状態に陥る。「食べたい」という衝動が抑えられない一方で、太る不安もつのっていく。食後に吐くことを覚えると、それが新たなストレス発散となり、〝過食→嘔吐〟を繰り返すようになった。

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