「健康食以外口にしない人」に疑われる障害の正体 「健康志向」と「オルトレキシア」の決定的違い

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健康的といわれる食生活も、極端すぎると……(写真:Mills/PIXTA)

「オルトレキシア」という言葉をご存じだろうか。本人が〝健康的だと思い込んでいる〟食事以外、いっさい摂らない(摂れない)人たちを指す。

パークサイド日比谷クリニック(東京都千代田区)院長で、オルトレキシアに詳しい立川秀樹さんの元には、メディアなどで見かけて受診する人が増えているという。

「オルトレキシア」とは?

「ふつうの人も健康のことを考えて食事には気をつけますが、それが極端になった状態がオルトレキシアと言えます。『小麦や添加物はいっさいダメ』とか、『動物性食品は絶対に食べない』とか、『何が入っているかわからないので、外食はしない』というふうに、健康的な食事に執着して、それ以外のものを口にできなくなるのが特徴です」(立川さん)

食行為に関する病気といえば、拒食症や過食症などの摂食障害がよく知られているが、それとの違いは動機、きっかけの部分。摂食障害は(スリムな)体型に対する強いこだわりがある(やせるため、太らないために食べものを拒んだり吐いたりする)が、オルトレキシアは「やせ願望」や「ボディイメージの固執」はあまり強くない。

それよりむしろ「健康的な自分でいること」へのこだわりや、健康的な食事を摂ることで自己肯定感をあげようとする動機が強いのが特徴だ。そのため、大病や慢性的な病気を経験したり、今回の新型コロナのように健康への脅威が高まったりすることが、発症のきっかけとなりやすいという。

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