「健康食以外口にしない人」に疑われる障害の正体 「健康志向」と「オルトレキシア」の決定的違い
最後に、オルトレキシアに陥らないようにするポイントを立川さんに聞いた。
1つめは「巷にあふれる健康情報を正しく見極める」こと。
「自分にとって〝何が得で何が損か〟を判断できる、あるいはそういう安定した心理状態であれば、どんな情報に触れたとしても、その情報が適切かどうか判断できます。ところが、自分をしっかり持っていない、病気などで心理状態が不安定な状態になっている場合は流されやすく、目の前のものに没頭しやすい。心当たりがある人ははまずネットなどメディアの情報を一度遮断してみるのがいいでしょう」
2つめは「自分の作ったルールにとらわれすぎない」こと。
1つ目のポイントに通じるが、自分の作ったルールにとらわれすぎると、正しい取捨選択が難しくなる。柔軟に構え、友人や家族などの意見を受け止めることが大事だ。
3つめは「栄養バランスを何より大切にすること」だ。
健康を意識して摂った食事で健康を損なうのは本末転倒だろう。タンパク質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラルなどをしっかり摂り、栄養バランスのよい食事を心がけたい。
家族がオルトレキシアのような食行動をとっていたら
家族や周り友人がオルトレキシアのような食行動をとっていたらどうしたらいいだろうか。
「今の食事の内容が本当に健康につながっているのかを、客観的に伝えてあげるとよいでしょう。頭ごなしに注意すれば逆に反感を買って、その食行為がより強まる可能性もあります。ですので、健康でいたいのなら、摂る必要のある食事がほかにもあるということを、それとなく気づいてもらうような話しかけが大事です」(立川さん)
さらには、優先順位を整理してあげることも有用のようだ。例えば、コロナ禍の今はあまり推奨されていないが、友人や仕事の関係で会食するときもあるだろう。
「普段の食事であれば、健康的な食事を第一優先にしてもいい。しかし、友人と食事をしている状況なら、健康的な食事よりも友人との楽しい時間を過ごすほうが優先順位は高いですよね」(立川さん)
親しい人たちと食事を楽しめば心がリフレッシュする。それはときとしてどんな健康的な食事より勝ることもある。そうしたことを一つひとつ体験していくことが、オルトレキシアの人には必要で、それによって過度な健康食へのこだわりが弱まっていくという。
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