リニア新幹線と「野生生物」の何とも気になる関係 JR東海と静岡県の「対話」、沢枯れめぐる議論
ハコネサンショウウオの「生き死に」が俎上に
3月24日、静岡県中央新幹線環境保全連絡会議の第9回生物多様性部会専門部会が開かれた。同部会は県側の専門家とJR東海が同じテーブルについて検討しようと2020年12月にスタートし、2021年10月から5カ月ぶりの開催だった。
新たに専門部会委員になり、会合に加わった愛知教育大学の島田知彦准教授(42歳)の発言を聞きながら、私は「へえっ」と思った。サンショウウオやカエルなど両生類の研究者である島田准教授はこう話した。「前回の議事録を読むと、ハコネサンショウウオがひとつのキー(鍵)になっている。ハコネサンショウウオは山地帯に多く、全国各地で食用にされてきた。しかし、いる場所は減っている」。
私は昨年の前回会合を傍聴できなかった。資料は読んだつもりだった。しかし、「ハコネサンショウウオが鍵だったっけ?」とピンとこなかった。改めて議事録を読むと、JR東海が「自然環境の保全に向けた取り組み」を説明。生態系への影響が生じる可能性がある場合の対策として、ヤマトイワナとハコネサンショウウオを例に挙げ、「移植」を提案している。
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