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コロナ禍で「棚ぼたイノベーター」となったZoom 「イノベーションは技術革新ではない」意外な訳

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  • 内田 和成 東京女子大学特別客員教授、早稲田大学名誉教授
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しかし、メルカリはこの領域を独自に開拓したのではない。フリマアプリと呼ばれるこの領域において、メルカリは後発企業である。

2012年7月に登場した同領域の草分けであるフリル(現ラクマ)から1年遅れ、2013年7月にメルカリが登場した。確認できただけでも、2016年のフリマアプリ市場が推計3052億円だったのに対し、同年のメルカリの流通取引総額が1752億円とすでに過半のシェアを獲得しており、サービス開始から3年後には勝負がついていたことがわかる。

その後もLINEやZOZO等、同領域には多くの参入がある中で、メルカリは突出した結果を残し、現在まで他を寄せつけていない。

メルカリが2018年6月にはユニコーン企業から上場を果たしたのに対し、先行したフリルは2016年9月に楽天に買収され、2018年2月には楽天が運営するラクマに統合された。フリルはせっかく開拓した市場の成果をメルカリに刈り取られてしまった。

技術的に新しくなくともイノベーション

これまでイノベーションと言えば、何か新しいことを生み出すにはどうしたらよいかということばかり議論されてきた。たとえばKJ法やブレーンストーミング、最近ではデザインシンキングなどの発想法、プロジェクトチーム制、タスクフォース、人材育成法、オープンソースによるコラボレーションなどの組織論など枚挙にいとまがない。しかし2年にもおよぶ研究会を通じて得た結論はまったく違っていた。

成功事例をいくつも見てきた中で、最も印象に残ったのが、「技術的に新しさはなくともイノベーションと呼べる商品、サービスは存在する」ということである。

先に取り上げたZoomがまさにそれである。2020年の春、突然世界中に感染範囲を広げた新型コロナウイルスの影響で、全世界ほぼ同時に人々は外出を控え、人との接触を極力抑えなければいけない環境に変化した。それまで行っていたオフラインのコミュニケーションもオンラインで実施しなければならない環境になり、まずはビジネスのコミュニケーションのツールとして多くの人が一斉に使い出したのである。

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